おはようからおやすみまで (ページ8)

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本音の向こう側ページ8

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『ねぇ、伊野尾くんどういうこと？！』

こうやって髙木が声を荒らげるのは確か二回目な気がする。
最初のあれは俺の親友はいないってめざましテレビで公言してしまった日のこと。

伊野尾くんの親友は俺でしょ？って怒る彼が俺はとてつもなく愛おしくてたまらなかった。

だって髙木は親友じゃなくて恋人だから。

そんな当たり前な理由を突きつけてやったら分かりやすくご機嫌になっては俺にキスした。

あぁ、それはもうそんなに前か、3ヶ月くらい前なのか。

「ふぇ？何のこと？」

『今日さ？出来上がった雑誌読んでたらこれだよ』

「なんの？」

『とぼけないでって』

バンって突きつけられた雑誌は今月号の色々ランキング！みたいな名前がつけられた記事だった。

確かにこんなのを答えた記憶はあるけどもう1ヶ月も前だ。俺が髪の毛を切った次の日。

「これが何？」

『ここ、なんでこんなこと言ったの？』

「あっ、それ」

恋人にしたいランキング。
某雑誌が大好きなBL要素をたっぷり含んだランキングのひとつだった。

たしか俺は……

『いない。って何？男は無理って何？』

今日のお怒りはこれだったかぁ、と渡された雑誌をペラペラめくってみる。

確かに俺は髙木と付き合ってるし俺は髙木が大好きだ。

でもそれは男だから？

違う。髙木だからだ。