おはようからおやすみまで (ページ4)

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「……話、あんだろ」

『あ、うん』

「俺の事飽きた？浮気したの？」

『うん…………うん？！は？ないないない！え、何言ってんの！え、なんで泣いてるの！』

「……だって話があるって」

途切れ途切れに言い返したら、高木はポカンと意味わかんねぇみたいな顔をして俺をまた抱きしめた。

『伊野尾くんがどうなってそうなって伊野尾くんの頭の中で俺が浮気したのかは分かんないけど、俺は浮気してないし伊野尾くんのこと大好きだよ？』

そういう髙木はヨシヨシとまた俺の頭を撫でてソファに座らされる。久しぶりの起きてる高木に弱った心はもっともっと泣けてくる。

じゃあ話があるってなんだよって泣きながら睨むと、そんな可愛い顔しないでよってほっぺにキスされた。高木のバカ。めちゃくちゃ会いたかった。

そうしたら何もかも見透かしたように俺も会いたかったって。

「……で、話って何。嫌な話は聞かない。」

『嫌な、うーん、嫌かもなんだけど、言わなきゃだからさ。あのさ、最近忙しいからって俺に任せてくれてたものがあったじゃん？』

「んなのあったっけ」

『プリティ･伊野尾･ベル』

「あ、トマト」

『そうそれ』

ちょっとまっててと高木はソファを立ってベランダから何かを撮ってきた。

……そう、枯れ果てた何か。

『伊野尾くん！ほんっとにごめん！水やり忘れて枯れた…』

バチンと目の前で合わさるおにぎりを握ってくれた手のひら。

申し訳なさそうにする高木の顔。

……なんだよ、わかりにくいんだよ、お前。

「んなのいいよ、家で育てたトマトって皮固くてあんま好きじゃねぇし」

『……でも』

「いいから！……いいからさ、」

抱きしめてよ。