おはようからおやすみまで (ページ3)

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幸福の花言葉ページ3

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最近めっきり忙しくて同じ家に住んでるのに見れるのは寝顔ばかりだった。

俺も高木も始業時間と就業時間は定まってない仕事。入れ違うことも沢山。

仕事を貰えることはすごく有難いし、
世間から必要とされてるまでは存分に働くのは俺らの仕事の運命だと思う。

だけど、家を朝早く出て遅く帰って「お疲れ様」って俺の好きな高菜おむすびがテーブルの上に置いてあった時は実は結構泣いた。

俺の大好きな大きな手で握ったおむすびは世界一で、でも起きたらまた今度は高木が朝早くから仕事でいなかった。

だから今日は早く帰ろう。

いつもは行く飲み会を今日はちょっとって断って、高木に会いたくて仕方ない。

帰ってうんと甘えて甘やかして貰ってって思ってたのに、帰るなり高木はリビングのソファから飛び降りて床に正座してこう言った。

「伊野尾くん、ほんとに、ホントにごめんね」

サラサラの金髪の髪の毛を揺らしながら土下座とも言わんばかりに頭をさげる俺の恋人。

何かしたんだろうか。

そんなの俺にとってはひとつしか浮かばなくて、さっきまでのピンク色の気持ちはシャボン玉みたいに弾けては消えてドクンと心臓が揺らいだ。

やだ

やだ

やだ

『……いのおく、「……髙木！」

俺が家に帰るのが遅かったから。

無理に人脈を広げるだのいい顔して飲み会にまで出たから。そういや最近セックスしたのいつだっけ。覚えてもない。

そんなの、当たり前じゃん、俺。

浮気されて当然じゃん。

どんどん滲む視界で髙木が焦ったように立ち上がってどっか痛い？！大丈夫？！って俺を抱きしめるけど今はその優しさが死ぬほど痛い。