▽ ページ8
･
良太郎｢どうかしたの？｣
A｢なんかすーっごい嫌な予感したんだよね｣
良太郎｢嫌な予感？｣
A｢いや、大したことないと思うんだけど多分モモタロスのせいかも｣
良太郎｢なんかあったのかもね｣
A｢うん｣
花火を眺めながら顔をしかめていたA
嫌な予感がすると良太郎に伝えたが
それはきっとモモタロスに関係する嫌な予感だ
現にAのモモタロスに関する嫌な予感は見事に的中し
ずっこけたモモタロスは顔面にコーヒーをぶちまけている
A｢寺崎さん、よかったよね無事に花火も完成して｣
A｢家族とも仲直りして…元通りになって｣
打ち上げられた花火の光に照らされたAの横顔
心の底から嬉しそうに笑っているはずなのに
その顔はほんの少し、寂しそうにも見える
A｢良太郎？｣
良太郎｢えっ…う、うん…そうだね｣
A｢話聞いてた？｣
良太郎｢聞いてたよちゃんと｣
A｢ふふっ、ならいいけど｣
浴衣を着て、いつもと違う髪型で
愛理と良太郎の間で楽しそうに笑うA
Aがこうして笑って浴衣を着て花火を見ているのは
一体何時ぶりだろうか
記憶が正しければきっと小学生の頃以来のように思える
良太郎｢そういえばさ｣
A｢ん？｣
良太郎｢ちょっと離れたところで屋台やってるらしいんだけど…｣
A｢屋台！？行く！！行きたい！！｣
良太郎｢うん、うん、わかったからちょっと落ち着いてよ｣
Aが小学生だった頃も
こうして浴衣を着て花火大会に行って
近くでやっていた屋台でかき氷を食べたり、綿あめを食べたり、とにかく色んな屋台を食べ歩いて
射的とか、金魚すくいとか、くじ引きとかもして楽しんだ
そんな思い出を覚えていた良太郎が
近くに屋台があると教えた途端Aはガシッと肩を掴みぐわんぐわんと揺らし始めた
やっぱり小学生の頃も今もあんまり変わってない
A｢かき氷も食べたいし、チョコバナナも食べたい！｣
良太郎｢わかったから肩から手を離してよ〜｣
A｢綿あめも食べたいし、焼きそばも…たこ焼きも食べたい！！｣
良太郎｢食べ物ばっかりじゃん｣
変わったことがあるとすれば
あの時のことを何も覚えてないことくらいで
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 80人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぽちゃた | 作成日時：2022年4月6日 21時
