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イマジンを撃破し2007年に戻ると
寺崎さんの作った花火が打ち上げられる時間になっていた
寺崎さんが慎重に"龍"と書かれた花火玉をセットし
蚊取り線香を使って火をつけると
空には大輪の花が咲くように花火が大きく打ち上がり
寺崎さんは笑顔で花火を見上げた
ヘルメットを外し
寺崎「よし…！！」
と満足気に笑った寺崎さんの元に
「おとーさーん！」
おとうさん、と呼ぶ幼い声が
まさかと思いぎこちなく首を動かし後ろを振り向くと
そこには浴衣を着た奥さんと
あの頃はまだ赤ん坊だった我が子が大きく成長し立っていた
何も言わずにあの日家を出ていったのに
自分の顔すら覚えていないだろうに
そんな自分のことをおとうさんと呼んでくれる息子の笑顔を見て寺崎さんは思わず涙を流した。
寺崎「龍…！！」
片時も忘れたことがない大切な我が子の名前
やっとの思いで口にすると
大きくなった息子は迷わず父親の腕の中に飛び込んだ
寺崎「龍！！」
無事に仲直り出来た家族を見て
良太郎とAは安心したように笑いあった
尾崎「うわぁ〜！！」
愛理「夏はやっぱり、花火ですよね〜」
そんな花火大会にはもちろん
尾崎と三浦、そして愛理の姿が
尾崎「しかし良太郎くんとAちゃんは…」
花火にうっとりしている愛理を見て
尾崎は良太郎は…？と不安そうにひそひそと三浦に話しかけた
愛理の横には良太郎とAの姿がない
心配そうに尾崎と三浦が愛理を見たその時
良太郎「姉さん！」
優しい弟の声が愛理の名前を呼んだ
尾崎「良太郎くん！Aちゃん！」
目を向けると
そこには少し気まずそうな顔をしつつもすっかり自分より大きくなった弟と、そんな弟を支えてくれる"妹"の姿
愛理はにっこりと微笑むと
何も言わずにちょっと崩れた良太郎の甚平の襟元を綺麗に直した
良太郎「……ありがとう」
良太郎が照れくさそうにお礼を言うと
愛理は嬉しそうに笑って頷いた
言葉にしなくても仲直りが出来た愛理と良太郎
ここに来るまで色々あったけど結局仲のいい姉弟の姿を見てAは心の底から嬉しそうに笑った
A｢よかった、仲直りできて｣
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作者名：ぽちゃた | 作成日時：2022年4月6日 21時
