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いつからそうだったのか、きっと聞かれても分からない
嬉しくないのかと聞かれたら必ず首を振るだろう
同じ気持ちでいてくれたことに驚きはあったが
嬉しくないわけがなく
良太郎｢嬉しかったよ、すごく｣
良太郎｢そう思ってくれてたんだって｣
Aが伝えてくれたことを否定するつもりはないが
自分でいいのかな、なんて思うことがないわけではない
きっともっと強くて、頼もしくて、いい人はいると思うのに
どうして自分なんだろうって考える
あれもこれも、全部
Aに幸せになって欲しいと願うからこその思いだ
良太郎｢でも…僕じゃ…｣
全部守りたかった
年月が経てば経つほど守りたいものが増えた
何気ない当たり前のものを守りたくて
でも、守れない
そんな事がずっとずっと続いて
良太郎｢Aのことを守れない｣
Aの笑った顔に何度も助けられた
どれだけ運が悪くても
Aが笑えば全部がどうでもよくなって
昔からAの笑った顔が大好きで
良太郎｢守ろう守ろうって、必死になってたけど｣
良太郎｢何がAにとって正解なのか、それでいいのか、傷つけてるんじゃないかって昨日思ったんだ｣
Aの笑顔とAの幸せを守りたかった
これ以上Aが大事なものを失わないように
Aが心の底から幸せになれるように
Aはどんな時も良太郎の前に立ち、守ってくれた
守ってくれた数だけ今度は自分が
何度そう思ったことだろう
─運が悪い事だかが良太郎の全てじゃないじゃない
─確かにちょっと運は悪いかもしれないけど
─それを言い訳にしない強さがあって
─何より良太郎はすっごく優しいじゃない
─私はそんなところがいいと思うけどなぁ
あの時自分が選んだ道は果たして正解だったのか
今でも分からない
それどころか、今その道が崩れようとしている
Aのことを守りたくて、幸せになって欲しくて
必死になって選んだ選択
結局自分はAのことを悲しませていたんじゃないかと
今になって後悔して
良太郎｢同じだってわかって嬉しいはずなのに｣
大事だからこそ、踏み込めないものがある
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作者名：ぽちゃた | 作成日時：2022年4月6日 21時
