今と未来、僕と君 14 (ページ43)

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一方、Aとリュウタロスが会話をしている時

良太郎はどこにいて何をしていたのかというと─

モモタロス｢しっかしよ…｣

モモタロス｢いつの間にそこまで行ってたんだよ｣

食堂車両ではない別の場所で

モモタロス、ウラタロス、キンタロスと一緒にいた

食堂車両から出た時から話の話題はずっとアレで…

モモタロス｢アイツ、案外やるやつだな｣

ウラタロス｢先輩、どこで感心してんの｣

モモタロス｢だってよ！言うと思わねぇじゃねぇか！｣

キンタロス｢確かに言われてみればそうやな｣

ウラタロス｢そりゃそうだけど…そもそもの話…｣

モモタロスたちからしてみれば

Aが良太郎のことを特別に思っていたことは

随分前から何も言わなくてもわかっていた

何かと気にかけたり、心配したり、一緒にいようとしたり

ウラタロスが憑依した時に女の子をナンパしようとした時も

本気で怒って力づくで止めようとした

そして何より他の人に向ける目とは明らかに違っていた

ウラタロス｢あんなに分かりやすいのに気づかないから無理もないんじゃないの？｣

モモタロス｢センスの悪さもだけどよ……良太郎の鈍さは半端ねぇからな｣

他からすればやっと言ったのか、という感じだ

そもそも言われないと気づかないってどういうことだと

モモタロスたちが驚いたのはAが打ち明けた云々よりも

そういうところだった

ヒソヒソと話しながら良太郎のことをちらちら見たりと

なんだかんだで気になるようだが

流石にズケズケと2人の話に入り込むことはできないようで

あーだこーだと言っては良太郎を黙って見つめるの繰り返し

キンタロス｢いや、問題はそこやないで｣

モモタロス｢あ？｣

キンタロス｢よく見たら良太郎、喜ぶどころか何か悩んでるように見えるで｣

モモタロス｢そんな訳……あるな｣

ウラタロス｢そういう関係以前に2人は家族って認識らしいし、戸惑ってるのかもね｣

デンライナーに来てからというもの

浮かない顔でいたり、何かを深く考え込んでいたり

そういった表情を浮かべているのが目立つ良太郎

てっきり喜んでたり、恥ずかしがっているのかと思っていたが現実はそうでもなく…

今の良太郎の胸中はどちらかというとその逆だ