【d!】繋げる (ページ6)

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次の日の朝、スマホのアラームの音で目を覚ましてベッドから降りるとあまりにも寒くて思わず身震いする。

なんでこんなに寒いんだと思って外を見ると雪が降っていたので、通りで寒いわけだと納得した。

今は12月だから雪が降るのもおかしくはない。

しかしこんなに寒いなら、暖房をつけたまま眠ればよかったな、と少し後悔しながら冷えた身体を温めるためにホットミルクを作った。

ミルクと一緒に朝食のバターロールを流し込んでもぐもぐしながら洗面所に行き寝癖を直し、顔を洗い、歯を磨いてもう一度自室に戻る。

会社に着ていく服を選ぼうとクローゼットの扉を開け中を覗き込む。

『(今日は寒いし厚着の方がいいかな。)』

そう思い何着も服を引っ張り出して寒くないようにたくさん着込む。

服が着替え終わったら、普段持ち歩いている化粧ポーチからメイク道具を取り出して、外を出歩いても問題のない顔面に仕上げるために、顔にメイクをしていく。

鏡で自分の顔をチェックしながらなんで朝の支度だけでこんなに疲れてしまうのだろうかと溜息を吐いてしまう。

ネガティブになりかけている気持ちをなんとか入れ替えて、会社に行くために外に出ると、着込んでいても寒くてもう家に帰りたいと思い始めてしまう。

最寄り駅に着くとホームにいる人がなんだかいつもよりも多いような気がした。

この雪のせいで電車が遅延しているのかな。

人混みの中を掻き分けるように進んで、やっとの思いで人の波から逃れると、自動販売機の目の前に見覚えのある人物が立っていた。

『あ、桃瀬さん。おはようございます。』

「おはよう、赤崎さん。今日寒いなぁ。」

寒いと外出るのも億劫になるわ、と笑う桃瀬さんの首には赤いマフラーが巻かれていて、このマフラーを見るのも去年ぶりだなと思った。

行く場所はふたりとも同じなので、私たちはそのまま一緒に会社まで向かうことになり、数分後に来た電車に乗り込んだ。