君といた“冬”は【まふまふ】

冬の始まり……７ ページ7

「もし、弱虫だったとしても。弱虫にだって、出来る事はありますよ。
……真冬さん、もう一度、皆さんに言いに行きませんか？
自分は、『まふまふは何もしていない』、 と」


「どう、してなんですか？」



どうして、そんなに前向きになれるのかが解らなかった。


「どうして、そんなに前向きでいられるんですか……」



僕なんて、ただ泣くことしかできない“弱虫”なのに。


すると彼女は、そっと目を伏せ、何かを喉の奥からから押し出すようにして話し始めた。



「私、前はもっと前向き(ポジティブ)だったんですよ。

なぜなら、その方が毎日楽しく過ごせるし、生きている事に自信を持てるから。
それに、何でも良い事に取れれば、気分も明るくなるじゃないですか。

だから、ずっと前向き(ポジティブ)でいました。


でも……」



そこまで話すと彼女は、その先を言うのをためらうように口をつぐんだ。

そして辛そうに顔を歪めながら次を話そうと口を開いた彼女を見ていると、
僕の口は勝手に動いた。



「いっ、行きます！」

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