𝐒𝐭𝐨𝐫𝐲 9 ページ9
ペンギンの言葉に甘えてチィオは一緒に自由時間を楽しむことにした。
｢ぺんぺんは何を買いたいの？｣
｢んー、何だったっけなー｣
｢あ、やっぱり私に気を遣ったでしょ｣
買いたいものがあると言っていたのに、しばらくあてもなく歩くものだからチィオがそう問いかければ、ペンギンがはぐらかす。
ただの居候に気を遣わなくてもいいのに…とチィオは思った。
｢それよりお前は？なんか欲しいもんとかないの？｣
｢うーん、着の身着のまま島を飛び出してきちゃったから無一文だし…｣
ペンギンの姿だから服すら着てないけどね…とチィオは哀愁を漂わせる。
それにペンギンは苦笑しながら、欲しいものがあれば買ってやるぞと言い
、チィオは本当！？と目を輝かせた。
｢じゃあ、ペンギンの生態が詳しく書かれた図鑑が欲しい！｣
チィオかそう言えば、何でそんなもの？とペンギンは首を捻る。
それにチィオは、人の姿に戻れるヒントになるかもしれないし、ローさんのように超人的な能力を使えるヒントにもなるかもしれない！と答え、なるほどとペンギンは納得した。
｢お前、えらいポジティブだよな。ペンギンの姿になったと気付いたとき焦らなかったか？｣
｢そりゃあ焦ったけど、これが夢じゃないなら現実を受け入れるしかないでしょ｣
ま、せっかく変な実食べっちゃったんだから、絶望せず楽しまなきゃ損よ…とチィオはカラカラと笑い、ぺんぺん達に会えてそう思ったよとビシッと片翼を上げてアピールした。
変な実じゃなくて悪魔の実なと訂正しつつ、一般人でも食ったのがお前みたいな一般人でよかったわとペンギンも笑った。
本屋にたどり着き、動物の記述のコーナーでペンギンが本を手に取り、適当にパラパラと捲って良さげなものを見繕う。
これでいっかと五冊ほどペンギンが手に持ったものを見て、一冊でいいよ？とチィオが言う。
古本で安いし、あって損はないからいいじゃんとペンギンは会計に足を運んだ。
本屋の店主はペンギンに抱かれたチィオと手渡された本を交互に見て、ペンギンをペットにでもするのかい？と首を傾げた。
ペットじゃない！と危うく声を出しそうになる開いたチィオの口を、ペンギンの大きな手が慌てて塞ぐ。
そんなもんですよーと言葉を濁して、ペンギンは代金と引き換えに本を受け取りササッと店を出た。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 732人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もふもふ子(プロフ) - 李空さん» pixivの方で読んで下さったのですね！こちらにも訪れてくださりありがとうございます♪面白いと言っていただけてとても嬉しいです(*^^*) (2023年2月6日 23時) (
レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
李空(プロフ) - pixivで読んだけど面白い (2023年2月6日 4時) (レス) @page3 id: 36ef557338 (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - つばめさん» もっともっと見ていたいと思って頂けてとても嬉しいです！夢主さんがまだ人の姿に戻れていませんので、まだお話は続きます！この先どうお話を書いていこうか今ちょっと詰まっているので、気長に更新をお待ちいただけると幸いですm(*_ _)m (2023年1月27日 0時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
つばめ - まだ更新有りますか？ もっともっと見ていたいです (2023年1月25日 23時) (レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - にゃーちゃんさん» ありがとうございます！とても嬉しいです♪のろのろ更新ですが、頑張って書いていきますね(*^^*) (2023年1月20日 19時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もふもふ子 | 作成日時：2022年11月3日 16時
