𝐒𝐭𝐨𝐫𝐲 24 ページ24
｢ローさん来なかったね｣
甲板にて洗濯をしているペンギンの隣で、朝食の時間になっても食堂に姿を現さず、どうしたのだろうと、また遅くまで医学書でも読んでたのかなとチィオは思う。
また徹夜でもしたんだろうと、ペンギンが言った。
昼下がりペンギンとシャチと甲板で日向ぼっこしていると、やっと起きたのかガチャリと扉の開く音が聞こえて振り向けば、いつも以上にどんよりとしたローの姿があった。
その後ろにはベポもいる。
名を呼ばれて手招きされ近寄れば、ローが片膝をついてチィオの首に両手を回した。
首の後ろで何かが結ばれる気配がして、終わればローがニヤリと笑う。
なんだか嫌な予感がする…とチィオは思った。
何処から出したのか分からないが、ベポがサッと鏡を取り出してそれに映る自分の姿に唖然とした。
｢げっ、何コレ！｣
大きな白いスカーフが、首に巻かれている。
その中心にはこの船の、ハートの海賊団のジョリーロジャーが刺繍されていた。
これじゃあ本当にこの船のクルーになっちゃうじゃん…とチィオは呟く。
｢あ、完成したんスね｣
どういうこと？とチィオが首を捻れば、昨日不寝番でキャプテンに報告することがあって部屋に訪れたら、ニヤニヤしながらそのスカーフに刺繍してたとシャチが言う。
ほぉん、今まで刺繍してたのかな。
だからそんなに隈、増し増しなんですね？
完成度のめちゃくちゃ高いソレに、イケメンが夜なべして刺繍だなんでちょっとイヤだ…とチィオは思った。
でも、ひと針ひと針丁寧に縫われたソレに、もう観念するか…とチィオは決める。
｢ねぇ、ローさん。私、海に沈んだローさんを助けることくらいしか出来ないけど、この船のクルーになれる？｣
独り立ちする為に故郷を飛び出したのだが、どこかの島ではなく、この船を家にしたいと、三ヶ月ほど過ごしたこの船はとても楽しくてそう思うようになった。
ローはずっとチィオをクルーに引き入れようとしていたけど、自分の変な意地がクルーになるのを拒んでいただけだとチィオは苦笑する。
｢一番重要な仕事じゃねェか。お前はもうこの船の立派なクルーだ｣
そう言ってニヤリとローが笑う。
｢そっか…ありがとう。これからもよろしくね、キャプテン｣
ペタペタと身体を左右に振れば、おう、と、頭をぽふぽふ叩かれた。
｢じゃあ夜は歓迎会でもすっか｣
｢わーい！｣
シャチがそう言い、その日の夕飯はチィオの好物が沢山並べられたーーーー。
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もふもふ子(プロフ) - 李空さん» pixivの方で読んで下さったのですね！こちらにも訪れてくださりありがとうございます♪面白いと言っていただけてとても嬉しいです(*^^*) (2023年2月6日 23時) (
レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
李空(プロフ) - pixivで読んだけど面白い (2023年2月6日 4時) (レス) @page3 id: 36ef557338 (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - つばめさん» もっともっと見ていたいと思って頂けてとても嬉しいです！夢主さんがまだ人の姿に戻れていませんので、まだお話は続きます！この先どうお話を書いていこうか今ちょっと詰まっているので、気長に更新をお待ちいただけると幸いですm(*_ _)m (2023年1月27日 0時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
つばめ - まだ更新有りますか？ もっともっと見ていたいです (2023年1月25日 23時) (レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - にゃーちゃんさん» ありがとうございます！とても嬉しいです♪のろのろ更新ですが、頑張って書いていきますね(*^^*) (2023年1月20日 19時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もふもふ子 | 作成日時：2022年11月3日 16時
