𝐒𝐭𝐨𝐫𝐲 22 ページ22
甲板ではみなが慌ただしく動く。
目の前ではペンギンがローの胸を強く押し続け、周りではシャチとベポが甲板に散らばる敵を欄干の外へと放り投げている。
それにチィオは何も出来ることがなくて、ぽつんと佇み見守るしかなかった。
しばらくして、ゴホッとローが水を吐いて息を吹き返し咳き込む。
その姿を見た途端、はらはらとチィオの瞳から涙が溢れだした。
ふと、視線がこちらに集まるのが分かる。
｢チィオ｣
｢……｣
｢おいチィオ、こっち来い｣
だらりと首を前に垂らして俯きぺたぺたと歩み寄れば、ローにひょいと持ち上げられ膝の上へと置かれる。
｢お前のお陰で命拾いした。ありがとな｣
そう言って、ポンポンとチィオの頭を叩く。
海面の光がもう随分と遠くなって、ペンギンたちでは深くまで潜れず探し当てられなかっただろう…。
その言葉に、初めてこの姿で良かったとチィオは思った。
｢この通りちゃんと生きている。だから泣き止め｣
ふっと笑ったローに、ぶわりと更に涙が溢れる。
｢キャプテン…私のこと吸って下さい…｣
そうポツリと零したチィオにローはクスクス笑いひょいと持ち上げ、バフッと腹に顔を埋めてスーッと吸い、息を吐く。
磯クセェな…そう言ってまたローは笑い、チィオは腹に当たるローの温かな息に、本当にちゃんと生きてる…と安堵し、ペタリとローに張り付いた。
｢これでお前もこの船のクルーの一員だな！｣
｢わーいよろしくね！｣
チィオが落ち着いた頃に、敵船のサルベージを終えたシャチとベポにそう言われた。
｢はい？どういうこと…？｣
｢だってお前、キャプテンって呼んだじゃん｣
｢キャプテンって呼ぶのはこの船の一員の証拠だよ！｣
キャプテンを助けに飛び込む前も、さっきもキャプテンって呼んだじゃんと、ペンギンから追い打ちが掛かる。
なんですと…？とチィオは口をあんぐりと開けた。
し…知らない、無意識だとちらりとローを見上げれば、彼は怖いくらいの笑みを浮かべている…。
無効よ、無効。しっかりとした意志を持って言ったわけじゃないもの。
でも、これはもう、後戻りできないな…とチィオは思った。
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もふもふ子(プロフ) - 李空さん» pixivの方で読んで下さったのですね！こちらにも訪れてくださりありがとうございます♪面白いと言っていただけてとても嬉しいです(*^^*) (2023年2月6日 23時) (
レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
李空(プロフ) - pixivで読んだけど面白い (2023年2月6日 4時) (レス) @page3 id: 36ef557338 (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - つばめさん» もっともっと見ていたいと思って頂けてとても嬉しいです！夢主さんがまだ人の姿に戻れていませんので、まだお話は続きます！この先どうお話を書いていこうか今ちょっと詰まっているので、気長に更新をお待ちいただけると幸いですm(*_ _)m (2023年1月27日 0時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
つばめ - まだ更新有りますか？ もっともっと見ていたいです (2023年1月25日 23時) (レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - にゃーちゃんさん» ありがとうございます！とても嬉しいです♪のろのろ更新ですが、頑張って書いていきますね(*^^*) (2023年1月20日 19時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もふもふ子 | 作成日時：2022年11月3日 16時
