𝐒𝐭𝐨𝐫𝐲 14 ページ14
人の…ペンギンの温もりに、だんだんと激しく刻んでいた鼓動と、荒く繰り返される呼吸が落ち着きを取り戻す。
安心する…と、チィオは頬をペンギンの胸に擦り寄せた。
｢起こしちゃってごめんね、ペンギン…｣
｢別に構わないよ。落ち着きて来たか？｣
コクリと、チィオは頷き、雷が大の苦手なのだと、特に何かトラウマがある訳ではないのだが、光や音に、どうしても恐怖を感じてしまうのだと話す。
いい歳して雷が怖いだなんて、情けないよね…と言うチィオのいつもとは違うシュンとしたしおらしい雰囲気に、ペンギンは庇護欲が湧いた。
｢動物恐怖症・高所恐怖症・雷恐怖症…三大恐怖症と言われるうちの一つだ｣
雷鳴を聞けば心拍数が上昇したり、パニックになったりする不安障害。
野生動物でも同じような反応を取るから、本能的な危機管理能力がきっかけに起こると考えられているそうだと。
雷が怖いやつなんて沢山居る、別におかしな事じゃないとペンギンは慰めた。
｢一人であちこち巡ってた時はどうしてたんだ？｣
その問いにチィオは、毛布を被って過ぎ去るのを待つしかなかった、本当にもう無理っていうときは、ベットの下とか、クローゼットがある時はそこに隠れていたと言った。
頑張って耐えてたんだなとペンギンが背を摩ってやると、チィオの身体の力がふっと抜けた。
｢また怖くなった時は、いつでもおれを頼ればいい｣
キャプテンでも、シャチでも、ベポでもいい。
誰かのそばにいて安心出来るのなら、必ず頼れとペンギンは言った。
そんな男前な発言にチィオはキュンときて、しばし雷の恐怖を忘れた。
｢どうだ？寝れそうか？｣
｢うん、温かくてうとうとしてきた…｣
じゃ、このまま寝るかとペンギンはチィオを抱えたままベッドに身を倒し、毛布を掛けてチィオを抱え直した。
｢ペンギンは、何か怖いものとかないの？｣
｢そりゃああるさ｣
｢どんなもの？｣
｢んー？何だと思う？｣
その返答に、あ、その言い方弱みを握らせるつもりないでしょ…とチィオが笑った気配がして、ペンギンは良かったと安堵した。
他愛ない話をしていれば、雷鳴はコロコロと小さくいつの間にか遠ざかっていて、チィオの瞳も閉じていた…。
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もふもふ子(プロフ) - 李空さん» pixivの方で読んで下さったのですね！こちらにも訪れてくださりありがとうございます♪面白いと言っていただけてとても嬉しいです(*^^*) (2023年2月6日 23時) (
レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
李空(プロフ) - pixivで読んだけど面白い (2023年2月6日 4時) (レス) @page3 id: 36ef557338 (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - つばめさん» もっともっと見ていたいと思って頂けてとても嬉しいです！夢主さんがまだ人の姿に戻れていませんので、まだお話は続きます！この先どうお話を書いていこうか今ちょっと詰まっているので、気長に更新をお待ちいただけると幸いですm(*_ _)m (2023年1月27日 0時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
つばめ - まだ更新有りますか？ もっともっと見ていたいです (2023年1月25日 23時) (レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - にゃーちゃんさん» ありがとうございます！とても嬉しいです♪のろのろ更新ですが、頑張って書いていきますね(*^^*) (2023年1月20日 19時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もふもふ子 | 作成日時：2022年11月3日 16時
