ペンギンさんに、よしよしされたいだけの話 番外編【ONEPIECE】

お散歩という名のデート ページ2

〇辛子明太子さまリクエスト〇
ペンギンさんと夢主さんのデート話

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次の島への航路の途中に島が見つかった。
前の島を発ってから3日しか経っておらず、補給を急ぐものはないがせっかくだし息抜きに寄ろうと船を上陸させた。

｢ベルーガ、デートしに行こう｣
｢デート？｣
｢うん。散歩だって思ってもらったらいい｣

行く！とベルーガは目を輝かせる。
ほぼ閉じ込められて生活していたという彼女に、色んなものを見せてやりたいとペンギンは思う。

揺れぬ地に降り立てば、感覚が慣れないのかふらふらする姿が可笑しい。
やっぱり変な感じがすると呟くベルーガの手を取って、歩き出した。

｢暖かくて気持ちいいね｣
｢春島のちょうど春だなー。花が綺麗だ｣

燦燦と降り注ぐ陽の光が少し暑く感じられるが、そよりと吹く風が心地いい。
無数に咲き誇る花たちが並ぶ大通りを歩き、目的の店を探す。
珍しそうにキョロキョロして歩く彼女の姿は、幼子のようで可愛らしい。
人にぶつからぬようしっかりと手を引いて導いた。

目的の店…本屋を見つけて足を踏み入れ、それぞれ別れて本を探す。
不寝番の際に読む本を数冊見繕って彼女を探せば、じっと開いた本を眺めている姿を見つけた。
背後に回りするりと腹に両手を絡ませ、耳元に顔を寄せる。

｢それ、美味そうだな｣
｢ひゃっ｣

耳元でわざと囁くように言えば跳ねる肩が可愛らしく、そのまま耳元に口付けた。
ビックリさせないで下さいとぷりぷり怒るベルーガにごめんごめんと謝りつつ、彼女の手元の本に視線を落とす。
レシピ本買うの？と問えば、自分で考えたりもするけど、レパートリーをもっと増やしたいから…とベルーガは言う。
体勢はそのままにパラパラとページを捲る手元を見つめる。

｢お、それも美味そうだなー｣
｢材料が揃ってたら、今度作ってあげるね｣

くすくすと笑うベルーガを見て、幸せだな…とペンギンは思った。

そのあとベルーガも数冊見繕い会計を済ませて、また大通りへと足を向けた。
人混みが慣れていないのかおろおろと歩く彼女手のを取れば、ありがとうと眉尻を下げて笑う顔が、とても可愛かった。

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