笑って笑って 24 ページ25
船に戻って食堂にたどり着けば、ベルーガこっちこっちー！とベポちゃんが手招きしてくれ、ベポちゃんとローさんの正面の椅子にペンギンさんが降ろしてくれた。
じっとこちらを見ていたローさんが、コイツは筋力も体力もねぇから極力歩かせろと言い、了解〜と、しぶしぶペンギンさんが頷く。
みんながお米を三角に握られたものを頬張ってる所に、ベルーガはこれなと目の前に湯気の立つ皿が置かれる。
米を柔らかく煮たもの…お粥だって。
消化のいいようにって私用に別で作ってくれたみたい。
有難いなぁと思う。
絶妙な塩加減の卵でとじられ柔らかな口当たりのものが、優しくじんわりと染み渡る。
美味しいなぁ。
幸せに浸っていると、急にパチリ…と、指を鳴らす音がして肩が跳ね上がり、手からするりとスプーンが滑り落ちて、粥の皿に当たりガチャンと音を立てた。
指の音が鳴った発信源は、ローさん…。
ガタガタと身体が震え出す。
｢きゃぷてん…その音、いやです…｣
もう一度パチリと音を鳴らされ、ひっと喉が引き攣る。
隣に座っていたペンギンさんの身体がぴたりと自分の身体にくっついてきて、少し安堵する。
｢あの男がしていたこれは何なんだ？｣
そう問われ、自分でもよく分からないけれど説明する。
その音が鳴ると頭がぼうっとしてきて、身体の自由がきかなくなってくる。
あれをしろ、これをしろなど指示をされてまたその音が鳴ると、勝手に身体が動いてしまう。
だからあの男の元へ行こうとした時にペンギンさんを噛んじゃったと、ペンギンさんの腕に額を擦り付ければ、優しく頭を撫でてくれた。
｢…立て｣
ローさんがそう言ってパチリと指を鳴らして肩が跳ね上がるが、何も起こらなかった。
ふむと、ローさんが頷く。
｢洗脳か…。おいベルーガ、この音はもう大丈夫だ｣
あの男の声と指の音に反応するように刷り込まれていた。
でもあの男はもういない。
だからもうそのような事は起こらない。
この音は、怖くない。
大丈夫だ、いいなベルーガ。
ローさんが、そう言った。
｢この音は、怖くない…大丈夫…｣
言われた言葉を繰り返す。
確かに頭もぼうっとせず、ローさんの言葉に従わなかった。
ローさんがそう言うなら、きっと絶対だ。
こくりと頷けば、日常的に指を鳴らす事なんてないだろうから、そう怯える必要はないと、ふっとローさんは笑った。
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もふもふ子(プロフ) - あっくすさん» はい、そうです！せっかく頑張って書いた文章が突然パーン！と消えてしまっては悲しいので、あちらにも掲載して避難させてもらってます。パクリなどではございませんので、ご安心くださいませ。 (2022年12月4日 23時) (
レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
あっくす(プロフ) - コメント失礼します！pixivの方で同じ内容の小説を拝見したのですが製作者は同じ方ですか？ (2022年12月4日 21時) (レス) @page1 id: 074a6f3059 (このIDを非表示/違反報告)
となりの渉。(プロフ) - もふもふ子さん» ﾜｧ...長文感想ありがとうございます！！！イラスト気に入ってもらえてよかったです(*^^*)ベルーガちゃんの新しい情報（？）とか出たらまたFAイラスト描かせていただきますね！！！ヾ(*´∀｀*)ﾉ゛ｷｬｯｷｬｯ (2022年11月28日 4時) (レス) id: 8e6d99468c (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - となりの渉。さん» 私が被りたいくらい…。欲しい…。本当に素敵なイラストをありがとうございました！まだこちらも随時更新していく予定です。ぜひ更新した際は読みに来ていただけると嬉しいです♪ (2022年11月28日 2時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - となりの渉。さん» 文字数足りない…。しかもハートの海賊団に入る前のベルーガちゃんまで！ボロボロ…痛々しい…。とても素敵な絵をありがとうございます！自分の書いたお話の夢主さんがイラストになるだなんて嬉しすぎます(*´艸`)あと帽子ですよ帽子！なんだあの可愛い帽子はっ！！ (2022年11月28日 2時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もふもふ子 | 作成日時：2022年10月14日 3時
