雛鳥の足跡…84こ ページ38
生地が決まれば、オーダーメイド専門の被服屋を訪れた。
店主とあれこれ話し、生地はこれでとお願いする。
デザインはどうしましょうと問われ、こちらで決めても？と言えば快く紙とペンを貸してくれた。
それにAは自国の舞の衣装を思い出しながらさらさらと描いていき、それを店主が興味深そうに見ていた。
描き上がり、装飾品などはお任せしますとデザイン画を渡せば、見たこともない形ね、腕が鳴るわぁ！と店主は目を輝かせる。
｢こちらの生地は、私に似合うようなワンピースやスカートを作って頂けませんか？｣
そう言ってマルコがプレゼントしてくれた生地を出せば、どちらもいい物ねぇと店主はさらりと生地を撫でる。
ここは職人の島ですしとAが笑えば、そりゃそうかと店主も笑った。
ササッと採寸をしてもらい、三日後に受け取りに来てねー！と扉の外まで見送りに来てくれたが、きたきたぁ！デザインが湧いてきたわよぉ！と、すぐに店内へ引っ込んで行った。
｢仕上がりがとても楽しみです！｣
ふふっとはにかむAの頭を、そうだなとマルコは撫でてやり、またするりと腰に手を回し歩き出す。
二人は日が傾くまで街の散策を楽しんだ。
｢これからおれはサッチと約束があるが、Aも来るかい？｣
｢いえ、どうぞお二人で楽しんできて下さい｣
せっかく羽を伸ばせる期間だもの。
また船での生活が始まればそれぞれ仕事で忙しくなるし、友人と気兼ねなく過ごしてきて欲しいとAは言う。
｢そうか、気をつけて戻れよい｣
そっと後頭部に手が添えられて、唇を奪われる。
こんな人が往来する中で恥ずかしい！とマルコの胸を押せば、それに反しさらにグッと唇が押し当てられ、Aはヒィッと内心で悲鳴を上げた。
唇が離れる際にぺろりと舐められ、もう！と顔を真っ赤にしてAは怒る。
それに可愛いねいと言ってマルコは頬に口付け、それじゃあと手をひらりと振って去っていった。
もう…と怒りながらも、Aは嫌な気はしない。
与えてくれる愛情は心地いい。
ただこういう事に慣れぬ自分は人前でされるのが恥ずかしいだけで、余裕のあるマルコに少し悔しさを覚える。
いつかマルコを驚かせてみたいものだとAは思った。
船へと戻る前に、もう少し街を歩こう。
素敵な生地をプレゼントしてくれたマルコにAも何か返したいと、何がいいかなと考えつつふらりと散策した…。
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もふもふ子(プロフ) - ミクリさん» いえ、とんでもない！くっつく時を楽しみにしててください(*^^*) 本当に！マルコさんはどんなデートをしてくれるんでしょうかね。しっかりと計画する派か、その時の気分で行く所を決める派か…うん、マルコならどっちでもよい(*´艸`) (2023年3月1日 14時) (
レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
ミクリ - もふもふ子さん» ちゃんとした恋人になるストーリーは決まってたんですね！失礼いたしました（汗その時が楽しみです♪マルコとデート本当にしてみたい…ｗ (2023年2月28日 18時) (レス) id: dfbdb02535 (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - ミクリさん» もう恋人のような関係ですが、本当に恋人になるタイミングは一応考えてあるんです〜( ^ω^)デートですねっ。じゃあ考えていたお話にプラスして考えてみます(˶'ᵕ'˶ )︎ (2023年2月28日 7時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
ミクリ - もふもふ子さん» クリスマスと内容が被ってしまうのでしたらいっその事どこかの島でバレンタインデートしちゃってください！！ｗなんならその番外編デートで恋人になっちゃっても良いですよ(/ω＼)既に恋人のようないちゃラブ具合ですが…ｗ (2023年2月26日 18時) (レス) id: dfbdb02535 (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - いつもコメント下さりありがとうございます！番外編ばかりで申し訳ないです。バレンタインのお話はクリスマスに書いたお話と似てるな…と思ってやめちゃったんです( ᐛ )似ててもいい！ともし需要がおありでしたら、大遅刻ですが書かせて頂きます(*^^*) (2023年2月24日 20時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もふもふ子 | 作成日時：2022年9月27日 23時
