雛鳥の足跡…59こ ページ12
｢もちろんだよい。これからもずっとそばにいて見ててやるさ｣
そう言ってマルコはAを抱き寄せ、額に唇を寄せた。
唇を離して目が合えば、そっと伏せられる瞳に愛しさが増して、唇の端へと口付ける。
物足りないと思ったAはするりと唇を滑らせ、唇と唇を重ね合わせれば、それに応えるように後頭部に手が添えられ、グッと唇が押し当てられた。
そしてまた下唇を食まれる。
一度それを経験したAはそれに応えようと、マルコの下唇を食み返す。
そうすればまた食み返されて…を、何度も繰り返した。
苦しくなってきてマルコの逞しい胸を押せば、最後にチュッと音を立て唇は離れ、温かな雰囲気にふっと二人は微笑みあった…。
｢しかしこれは惜しいねぃ…｣
そう言って短くなってしまったAの髪を、さらりと梳く。
｢髪はまた、いくらでも伸びてきます｣
Aは微笑んで頬に添えられたマルコの手に擦り寄った。
するりと親指で唇をなぞれば、先程の口付けを思い出したのか、頬を朱に染める姿が愛らしい。
｢喋り方、戻っちまうのかい？｣
｢どうも癖みたいなもので…｣
目上の者にはこのように喋っていたと困ったように笑うAに、そうかと頭を撫で、まあそれもお前らしくていいがねとマルコは笑った。
｢さあ、そろそろ船に戻るよい｣
白ひげの旧友と取り決めた約束事の一つに、夜は出歩かないでくれとあり、顔を隠し始めた夕陽を見てAは頷いた。
ざぶりと音を立てマルコが動き、Aを抱きあげようとその身体を持ち上げた瞬間…
｢ふぎゃっ！｣
猫が踏まれたような悲鳴と共に、バシャリと飛沫が跳ね上がってAの身は海に沈む。
すまねぇ！と慌てるマルコの身体はだいぶ力が抜けてきていたらしく、思わずAを落としてしまった。
急いで上がりましょうとAはマルコの大きな手を取って誘導し、砂浜へと戻った。
脱ぎ捨てていた靴を履いてまた水平線へと視線を向けると、夕陽はもう顔を半分ほど隠していた。
ぼうっと眺めていればまたそっと抱き寄せてくれ、マルコの胸へとAは縋り着いた。
頭を撫でてくれ顔をあげれば、その視界にひらりと妖精が飛んでいるのが映り、あっと声が漏れた。
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もふもふ子(プロフ) - ミクリさん» いえ、とんでもない！くっつく時を楽しみにしててください(*^^*) 本当に！マルコさんはどんなデートをしてくれるんでしょうかね。しっかりと計画する派か、その時の気分で行く所を決める派か…うん、マルコならどっちでもよい(*´艸`) (2023年3月1日 14時) (
レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
ミクリ - もふもふ子さん» ちゃんとした恋人になるストーリーは決まってたんですね！失礼いたしました（汗その時が楽しみです♪マルコとデート本当にしてみたい…ｗ (2023年2月28日 18時) (レス) id: dfbdb02535 (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - ミクリさん» もう恋人のような関係ですが、本当に恋人になるタイミングは一応考えてあるんです〜( ^ω^)デートですねっ。じゃあ考えていたお話にプラスして考えてみます(˶'ᵕ'˶ )︎ (2023年2月28日 7時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
ミクリ - もふもふ子さん» クリスマスと内容が被ってしまうのでしたらいっその事どこかの島でバレンタインデートしちゃってください！！ｗなんならその番外編デートで恋人になっちゃっても良いですよ(/ω＼)既に恋人のようないちゃラブ具合ですが…ｗ (2023年2月26日 18時) (レス) id: dfbdb02535 (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - いつもコメント下さりありがとうございます！番外編ばかりで申し訳ないです。バレンタインのお話はクリスマスに書いたお話と似てるな…と思ってやめちゃったんです( ᐛ )似ててもいい！ともし需要がおありでしたら、大遅刻ですが書かせて頂きます(*^^*) (2023年2月24日 20時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もふもふ子 | 作成日時：2022年9月27日 23時
