雛鳥の足跡…40こ ページ41
もうすぐ島に着くらしい。
この世界へときて6つ目の島となる。
次の島はどうだろうか…と、思案しながらAはモビーの顔の上で偵察に行ったマルコの帰りを待つ。
これが、偵察に行ったマルコが帰ってくる時のお決まりのパターンとなった。
危ないと言ってもモビーの顔は大きいし広いから大丈夫だと、ヘマせずちゃんと帰ってくるからと言っても私がこうしたいだけだからと、意外と頑固で聞かずAがこうして待つことを、しょうがねェなとマルコが折れた。
今回も偵察から帰ればやはり船首にいて、両手を広げて待つその側へ降り立って抱きあげれば、おかえりなさいとホッとしたように嬉しそうに笑う。
その抱き上げられて笑うAの姿は王女だったということに相応しいとほわんとした空気になるが、抱き上げている相手がマルコだという事実に恨めしいとクルーたちは歯をぎりりと噛み締めた。
｢今回の島はどうでしたか？｣
｢綺麗な街並みだったよい。治安も良さそうだ｣
それは楽しみですねと言って笑ったAの瞳の奥に隠された憂いに、誰も気づくことはなかった。
今回は一番隊が船番だそうで、Aはナースたちと島を散策しに出た。
マルコが綺麗だと言った街並みにたどり着けば、大きく息を飲み、その足はピタリと止まる。
どうしたのと聞かれるが、なんでもないと言った言葉は少し震えていたかもしれない。
ここは、自分がいた国の城下の街によく似ている…。
あちこち見回しても、本当によく似ていて胸が苦しくなった。
街並み、賑わい、どれをとっても、そっくりだと。
居場所を見つけたかもしれない。
住むなら、ここがいいと…。
大量に買い物をして満足し、船に戻ると言ったナースたちと別れてAは街を見回る。
一人で大丈夫かと心配されたが、この島を隅々まで見てみたいとその心配を押し切ってふらふらと歩いた。
最後に海岸沿いを歩けば、とても気持ちのいい空気に満足する。
Aの国は山々に囲まれていたけれど、ここはきらきらと輝く海が広がっていて、夕陽が沈む頃もとても綺麗な景色となるだろう。
ここに決めてしまおうか…と、泣きそうに顔をゆがめとぼとぼと歩いていると、前方に争いあっている人垣が見えた。
それにハッとAは息を飲む。
一方的にやられているのは、白ひげのクルーたち。
見覚えのあるその顔は、以前Aに嫉妬をした彼等。
どうしよう…なんて微塵も思わず、そちらへ駆け寄った。
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もふもふ子(プロフ) - 如月さん» ありがとうございます(*ˊ˘ˋ*) (2022年10月6日 22時) (
レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - もふもふ子さん» かわいいから問題無しです！！ (2022年10月6日 19時) (レス) id: 4efb850e8a (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - 如月さん» 幼女な夢主さんが好きで来られた方々には紛らわしい題名ですよね…申し訳ないです… (2022年10月6日 13時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - 雛鳥って書いてあるから子供かな？って思ったけど成人してたわ (2022年10月6日 12時) (レス) @page7 id: 4efb850e8a (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - thmrt1214さん» ありがとうございます！このお話でマルコさんをもっと好きになって頂けて大変光栄です！続編は大人のお話を入れ込んでいきますので、未成年の方は閲覧できないように設定している、ということでごさいます。 (2022年9月27日 23時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もふもふ子 | 作成日時：2022年9月17日 4時
