雛鳥の足跡…39こ ページ40
｢準備が出来た。迎えに来たよい｣
そう言って薄暗くなってきた頃にまたマルコがやってきて、準備？と首を捻れば、今日は宴をするのだと教えてくれた。
それなら着替えなきゃと適当にワンピースを手に取り、寝間着をバサリと脱ぎ捨てる。
おいっ！となんだか焦った声が聞こえて振り向けば目が合い、しまったとAは頬を染めた。
この世界へやってきてナースたちに身体を診られることが多く、いつの間にか肌を見せることに抵抗はなくなってきていたのだが、マルコは男だ。
｢あ、あの…すみません｣
｢気をつけろよい。ここに居たのがサッチだと食われてたぞ｣
じりっと身を引いたAに歩み寄り、ワンピースを被せて後ろのチャックを閉めてやれば、恐縮ですと身を縮こませていた。
｢なんでいつも少し後ろを歩くんだ？｣
部屋を出て甲板へ向かう途中、いつも疑問に思っていたことをマルコは聞いてみた。
｢あぁ…騎士をしていたときの癖かと｣
キョトンとし、少し考える仕草をしてからそう言って困ったように笑うAの手を引いて自分の隣へと導く。
そのまま手を繋いで隣を歩かせれば、それが落ち着かないのか、変にぎくしゃくと歩くAにマルコは笑った。
甲板へとたどり着けば、ずらりと並ぶ料理にAは感嘆の声を漏らし、この前の妖精に魚を貰った時の宴とは違う様子に、凄いですねと目を輝かせた。
中央の椅子に座る白ひげに近寄ればつまみ上げられて、ちょこんと白ひげの膝の上に収まる。
｢体調はもういいのか？｣
｢はい、この通りです。白ひげ様も船が大きく揺れていましたが大丈夫でしたか？｣
｢グラララ。見ての通りだなァ｣
そう言って大きな指で頭を撫でられた。
｢さぁこの大事な客人にまた助けてもらった。感謝し讃え、この宴を存分に楽しめ！｣
白ひげの号令の後に、Aに感謝を、乾杯ー！と大きな声が響き渡る。
わいわい騒ぐその楽しそうな様子に、Aは目を奪われた。
｢おれの大事な家を守ってくれて感謝するぜェ｣
そう言って目に優しさを含ませ笑い、白ひげは大きなジョッキを煽る。
その言葉に、皆の様子に、役に立ててよかったとふっと微笑んだ。
たが、どんどんとこの船の者たちがAの心の中へと入り込んで存在が膨れ上がる。
本格的に情が移る前に、離れ難くなる前に、住む島を見つけなければ…と、Aはギュッと胸元を握りしめた。
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もふもふ子(プロフ) - 如月さん» ありがとうございます(*ˊ˘ˋ*) (2022年10月6日 22時) (
レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - もふもふ子さん» かわいいから問題無しです！！ (2022年10月6日 19時) (レス) id: 4efb850e8a (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - 如月さん» 幼女な夢主さんが好きで来られた方々には紛らわしい題名ですよね…申し訳ないです… (2022年10月6日 13時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - 雛鳥って書いてあるから子供かな？って思ったけど成人してたわ (2022年10月6日 12時) (レス) @page7 id: 4efb850e8a (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - thmrt1214さん» ありがとうございます！このお話でマルコさんをもっと好きになって頂けて大変光栄です！続編は大人のお話を入れ込んでいきますので、未成年の方は閲覧できないように設定している、ということでごさいます。 (2022年9月27日 23時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もふもふ子 | 作成日時：2022年9月17日 4時
