雛鳥の足跡…36こ ページ37
｢取り舵30！あと少しだそうです！頑張って下さいっ！！｣
そしてどんどん雨足は弱まり、風も穏やかなものへと変わっていく。
視界の悪い霧を抜ければ、そこは陽が傾き、赤に輝く海面が現れた。
その綺麗な光景に、クルーたちはみな呼吸を忘れるかのように見入った。
｢…無事、サイクロンを抜けました。お疲れ様でした｣
Aのその言葉に、ドッと歓声が湧いた。
その歓声を聞いて白ひげが外に姿を現し、視線が合わさったのでAは小さく手を振る。
｢あれだけの嵐だ。船の損傷はあるが、クルー全員無事に切り抜けたよい｣
マルコがそう言えば、白ひげはにやりと笑った。
｢また助けられちまったなァ。礼はまた後にする。ゆっくり休んでくれ｣
Aの憔悴しきった顔に気付き白ひげがそう言えば、Aはこくりと頷いて微笑み、もう限界だというようにふっと力が抜け、マルコの腕の中で深く意識を飛ばした…。
ふと目が覚めればそこはまた船医室で。
枕元にあるベルを鳴らせばナースが来てくれ、起きたのねと微笑んでくれ、丸一日寝ていたのだと教えてくれた。
｢体の具合はどう？｣
｢…なんだか凄く寒いです｣
あら…と、額に手を当てられる。
疲労が濃く、長時間雨に打たれたから熱が出るかもねと言われた。
聴診や脈をとられたり、目や喉を診られたりなどをしてもらっていれば、いつの間にかマルコが来ていて、起きたんだなと頭を撫でられる。
｢船の様子はどうですか？｣
｢あれだけデカいサイクロンだったというのに、驚くほど被害が少ないよい｣
それは良かったと、Aは胸をなでおろす。
Aの様子を見て満足したマルコは、また来ると言って踵を返した。
｢マルコさん、行っちゃうんですか…？｣
そうポツリと聞こえて来た声にマルコは足を止め振り返れば、目を丸く開いて口に手を当て、言葉を発した本人が驚いていた。
身体が弱れば、人恋しくなるというのは本当なのか…。
マルコの姿が見えたときに安堵し、去ろうとすればとても寂しくなった。
自分でも知らずのうちに言葉がついて出て、驚いてしまった。
慌てて何でもないと手を振れど、マルコ隊長をご所望ですよとナースに背を押されまたマルコはこちらへと戻ってきて、申し訳ないと思ったが嬉しくも思ってしまった。
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もふもふ子(プロフ) - 如月さん» ありがとうございます(*ˊ˘ˋ*) (2022年10月6日 22時) (
レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - もふもふ子さん» かわいいから問題無しです！！ (2022年10月6日 19時) (レス) id: 4efb850e8a (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - 如月さん» 幼女な夢主さんが好きで来られた方々には紛らわしい題名ですよね…申し訳ないです… (2022年10月6日 13時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - 雛鳥って書いてあるから子供かな？って思ったけど成人してたわ (2022年10月6日 12時) (レス) @page7 id: 4efb850e8a (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - thmrt1214さん» ありがとうございます！このお話でマルコさんをもっと好きになって頂けて大変光栄です！続編は大人のお話を入れ込んでいきますので、未成年の方は閲覧できないように設定している、ということでごさいます。 (2022年9月27日 23時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もふもふ子 | 作成日時：2022年9月17日 4時
