雛鳥の足跡…8つ ページ8
｢オマエはあの島にどうやってきた。何も無かったところに、急に血だらけで姿を現したそうだなァ｣
マルコから聞いたぞと白ひげが言う。
｢信じてる貰えるかは分かりませんが、単刀直入に言いますと私は…異世界から来ました｣
異世界？なんじゃそりゃなど声が上がるが、静かにしろとピリリとした白ひげの言葉にピタリと声が止む。
まさに鶴の一声だ。
｢ここグランドラインは何があってもおかしくねェ場所だろうが｣
そう言った白ひげに隊長たちはハッとし、すまねぇ親父と小さくなる。
それで、傷だらけだったのは何故だと問われると、Aの顔は泣きそうに歪む。
｢ここに来た経緯を、手短にではありますがお話いたします｣
そう言ってAはぽつりと言葉を紡ぐ。
Aは一国の王女でありながら騎士として存在していた。
その日は隣国に嫁いだ二番目の姉と、その夫隣国の王が自国に訪問し談笑を楽しんでいた。
でもその談笑はがらりと一変する。
急に外から爆発音が響いた。
慌てて窓へ駆け寄ると城下から火の手が上がっていて、あちこち爆発を起こし一瞬で火の海となり、怒号と悲鳴が響き渡る。
どういう事だと震えていれば、背後で悲鳴が聞こえた。
振り向けば、二番目の姉が…夫に、隣国の王の手に持つ剣で身体を貫かれていた。
何が起きているのだと、目の前の光景を疑う。
仲睦まじかったはずなのにどういう事かと問えば、毎日が気持ち悪くて仕方がなかったとそいつは嘲笑った。
そして次に近くにいた義兄の喉を切り裂いた。
飛んだ血飛沫がAの頬を濡らす。
思考が、追いつかない。
自分は姉と義兄と慕ってくれる城の者や国民を守りたくて騎士になったというのに、なんだこの有様は。
何が目的かと問えば、妖精の力を手に入れたかったと。
Aの国は、妖精と人間が共存する国であった。
なんて馬鹿げた話だと思う。
妖精の力を借りるには、心を通わさないといけない。
こんなことをすれば、ただ妖精の怒りを買うだけだというのに。
一番上の姉を、この国の女王を守らねばと、今更ながらに腰に提げた剣を抜けば、隣国の鎧を纏った兵が部屋になだれ込んでくる。
妖精に力を借りながら戦えど、どんどん来る兵士は薙ぎ払っても薙ぎ払ってもキリがなく苦戦を強いられた。
室内にいた数人の自分の部下たちも、殺されていく。
もう禁じ手を使ってしまおうと思ったが、それは一歩、姉の方が早かった…。
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もふもふ子(プロフ) - 如月さん» ありがとうございます(*ˊ˘ˋ*) (2022年10月6日 22時) (
レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - もふもふ子さん» かわいいから問題無しです！！ (2022年10月6日 19時) (レス) id: 4efb850e8a (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - 如月さん» 幼女な夢主さんが好きで来られた方々には紛らわしい題名ですよね…申し訳ないです… (2022年10月6日 13時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - 雛鳥って書いてあるから子供かな？って思ったけど成人してたわ (2022年10月6日 12時) (レス) @page7 id: 4efb850e8a (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - thmrt1214さん» ありがとうございます！このお話でマルコさんをもっと好きになって頂けて大変光栄です！続編は大人のお話を入れ込んでいきますので、未成年の方は閲覧できないように設定している、ということでごさいます。 (2022年9月27日 23時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もふもふ子 | 作成日時：2022年9月17日 4時
