雛鳥の足跡…43こ ページ44
｢っおねがい、たすけて｣
そう言えば妖精は焦った顔をして頷いてくれ、その言葉を聞いた男は助けなんて来ねぇよと声高らかに笑う。
しかし突然室内に吹き荒れた突風に男たちは戦き、Aから身を離した。
お前能力者か！？と身を引く男たち。
どうやら悪魔の実の存在を知っているようで、Aが脅すようにサッと片手を差し向ければ、ヒィッ！と悲鳴を上げバタバタと入口へと走っていく。
その瞬間天井が暴風により爆ぜ、破片や瓦礫が降り注ぎ、それに男たちは埋まった…。
その様子をぺたりと座り込んで見ていればひらりと妖精が近寄ってきた。
指をそっと差し出してありがとうとお礼を言えば、その指に擦り寄り、手を振って飛び去っていく妖精を見送った。
詰まった息を吐き出して自身の身体を見下ろせば、無数に散らばる赤に気持ち悪さが込み上げてきて、口元に手を当て我慢した…。
｢っA！！！｣
俯いてぼーっと虚無感に襲われていれば、耳に馴染んだ声がしてバッと顔を持ち上げる。
もう一度名を呼ばれる声に、気持ちの悪さがふっと和らぐ感覚がした。
声がした方に顔を向ければマルコを筆頭に数名のクルーがこちらに走って来ている。
きっと、襲われていたクルーたちが呼んできてくれたのだろう。
ふらりと立ち上がり破かれた前を握りしめ、Aもそちらに駆け寄った。
｢マルコさんっ！｣
｢A…お前それ！！｣
目の前に来たAを見下ろせば、首筋に散らばる赤と、喉元にくっきりと残る指の痕と、ボタンの無いブラウスを前で合わせる様子に、マルコは驚愕した。
顔に涙の跡を見つければ、ぶわりと一面にマルコの殺気が漂いそばにいたクルーたちは慄く。
男たちはと聞かれ瓦礫に埋まっていると言えば、跡形も残らないくらいミンチにしてきてやるよと、するりとAの頬を撫で歩き出す。
｢えっ！？だ、大丈夫です未遂ですよ！偶然通りかかった妖精に助けて頂きました！｣
｢暴漢なんかを庇うなよい！！｣
強い殺気の籠った目と怒号にビクリと肩が跳ね上がり、それを見兼ねて側にいたサッチがAの頭を撫でて前に乗りでる。
｢おれがミンチにしてきてやっから、マルコはAを連れて船に帰りな｣
そう言ってサッチはぽんとマルコの肩を叩き、他のクルーを引き連れて壊れた物置小屋へと足を運んだ。
取り残された二人は、目が合えばAが数歩後退り、マルコは深いため息をつきガシガシと頭を掻いた。
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もふもふ子(プロフ) - 如月さん» ありがとうございます(*ˊ˘ˋ*) (2022年10月6日 22時) (
レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - もふもふ子さん» かわいいから問題無しです！！ (2022年10月6日 19時) (レス) id: 4efb850e8a (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - 如月さん» 幼女な夢主さんが好きで来られた方々には紛らわしい題名ですよね…申し訳ないです… (2022年10月6日 13時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - 雛鳥って書いてあるから子供かな？って思ったけど成人してたわ (2022年10月6日 12時) (レス) @page7 id: 4efb850e8a (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - thmrt1214さん» ありがとうございます！このお話でマルコさんをもっと好きになって頂けて大変光栄です！続編は大人のお話を入れ込んでいきますので、未成年の方は閲覧できないように設定している、ということでごさいます。 (2022年9月27日 23時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もふもふ子 | 作成日時：2022年9月17日 4時
