雛鳥の足跡…29こ ページ30
目が覚めかけ微睡んでいれば、感じる温もりが懐かしい。
幼い頃よく姉たちと一緒に寝ていた頃の感覚。
意識が浮上すれば、それは姉の柔らかい身体ではなく、硬くがっしりとした体躯。
驚いて身を起こしても、逞しい身体はビクともしなかった。
胸元に触れてしまっている自身の手に、ドキリとする。
前にも一緒に眠りについた事があったが、その温かさにとても安心して、
ビックリするくらいぐっすりと眠ってしまった。
今回はマルコは眠ったまま。
自身の奇行に付き合わせてしまって、彼もきっと眠れていないのだと気付き、とても申し訳なく思った。
ふと、姉との記憶を思い出す。
幼い頃は何かと姉を喜ばせたくて、色んなことをしてきた。
その度に、ありがとうと姉は額に口付けを贈ってくれた。
それがとても嬉しかったのを覚えている。
ちらりとマルコを見れば、起きる気配は無い。
彼には本当に良くしてもらっている。
感情を吐露する度、それを受け止めてくれる大きな存在。
思い出した記憶のように、マルコの額へと感謝を込めて口付けを贈った。
そっと唇を離せば、ぱちりと目が合う。
じわじわと、顔に熱が集まるのが分かり、バッと身を離して、言葉にならぬ声を上げる。
｢あの、えっと…これはそのっ｣
｢寝込みを襲われるとはねぃ｣
｢ち、ちがっ。これはそんなのじゃっ｣
起きてたんですか！？と問えば、これでも隊長格なんでね、気配には敏感だよい、お前が起きてた時点で起きてたさと、答えが返ってきた。
恥ずかしすぎて後ずされば、反対ににじり寄られる。
それを繰り返せば急にがくりと腕が落ちた。
いつの間にかベッドの端へときていて、後ろにひっくり返りそうになる。
慌ててマルコがAの腕を掴むが、ひっくり返る勢いに負けてマルコまで引っ張られ落ちていく。
咄嗟にAの後頭部に手のひらを入れ込んで、もう片方の手を床に付けば、衝撃を和らげてあげることが出来た。
ギュッと瞑った目を開ければ、鼻先が触れ合いそうな顔の近さに赤面するが、なぜか目が逸らせなくてしばらく見つめ合う。
その時、バタン！と大きな音を立てて扉が開いた。
｢マルコ！書類持ってきた…ぜ…｣
勢いよく入ってきたのはエースだった。
マルコとAの状況をみて、ピシリと動きを止める。
幾らか、時が止まった気がした…。
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もふもふ子(プロフ) - 如月さん» ありがとうございます(*ˊ˘ˋ*) (2022年10月6日 22時) (
レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - もふもふ子さん» かわいいから問題無しです！！ (2022年10月6日 19時) (レス) id: 4efb850e8a (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - 如月さん» 幼女な夢主さんが好きで来られた方々には紛らわしい題名ですよね…申し訳ないです… (2022年10月6日 13時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - 雛鳥って書いてあるから子供かな？って思ったけど成人してたわ (2022年10月6日 12時) (レス) @page7 id: 4efb850e8a (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - thmrt1214さん» ありがとうございます！このお話でマルコさんをもっと好きになって頂けて大変光栄です！続編は大人のお話を入れ込んでいきますので、未成年の方は閲覧できないように設定している、ということでごさいます。 (2022年9月27日 23時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もふもふ子 | 作成日時：2022年9月17日 4時
