雛鳥の足跡…18こ ページ19
昼食が終われば、脚を慣らすのに船内を散歩。
クルーとすれ違えば、よう！だの、元気か？だのと声を掛けてくれる。
中には鋭い視線を向けてくる人もいるけれど。
1600人もいれば、そういう人もいるだろう。
ぐるりと一週して甲板へと戻って来れば、それだけで息が上がる。
なんとも貧弱な身体になってしまったものだとショックを受けた。
｢お嬢さん、一緒に紅茶でもどうかね｣
ハァっと息をついていれば、後ろから声が掛かった。
｢ビスタさん！｣
白ひげほどではないが、マルコよりも大きな人。
そちらを見上げればちょいちょいと手招きされる。
ひょこひょこと近寄れば椅子を引いて座らせてくれ、目の前にカップが置かれた。
透き通る茶色の液体を注がれれば、いい匂いが漂う。
頂きますと口を付ければ鼻からもその匂いが抜けていき、ほわっと疲れた身体が安らいだ。
｢マルコと一緒じゃないのか？｣
｢はい、今はお仕事中で、私も体力作りです｣
Aが一人でいれば、よくそうやって聞かれる。
四六時中一緒にいるわけでもないのがだ、マルコは？一人なの？などと、みな聞いてくる。
私はどうやら、マルコの金魚の糞と化しているようだ…と思う。
｢ここは自由だ。いくらでも時間はある。焦らずゆっくりな｣
そう言ってにやりと笑ってくれて、Aは微笑んで頷き返した。
茶菓子も差し出されビスタとともに穏やかなひと時を堪能していると、迎えが来たぞと下を指さしている。
そちらを覗き込めば、マルコがこちらを見上げ手招きしていた。
それを見て、Aはパッと顔を輝かせる。
｢マルコさんだ。ビスタさん、紅茶ご馳走様でした。また今度もご一緒させて頂いても？｣
｢もちろんだ。美味いのを用意しておく｣
そう言って去っていく後ろ姿を見送った。
マルコの側へたどり着けば、ともに歩き出す。
柄にもなくマルコはゆったりとした歩調で、その後ろをAがひょこひょことついて行く。
その光景をビスタの周りにいたクルーが、なんていうか…親鳥と雛鳥みたいだなと呟く。
脳内でマルコを不死鳥へと変換し、Aも小鳥へと変換すれば、その姿がなんとも可笑しくて皆で大爆笑した。
急に湧いた声に驚いたのか二人の肩が跳ね上がりこちらを向く。
マルコは怪訝な目を向け、Aは驚きながらも手を振る。
そんな二人をお構い無しに、ビスタたちはツボに入ったようで笑い続けた。
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もふもふ子(プロフ) - 如月さん» ありがとうございます(*ˊ˘ˋ*) (2022年10月6日 22時) (
レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - もふもふ子さん» かわいいから問題無しです！！ (2022年10月6日 19時) (レス) id: 4efb850e8a (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - 如月さん» 幼女な夢主さんが好きで来られた方々には紛らわしい題名ですよね…申し訳ないです… (2022年10月6日 13時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - 雛鳥って書いてあるから子供かな？って思ったけど成人してたわ (2022年10月6日 12時) (レス) @page7 id: 4efb850e8a (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - thmrt1214さん» ありがとうございます！このお話でマルコさんをもっと好きになって頂けて大変光栄です！続編は大人のお話を入れ込んでいきますので、未成年の方は閲覧できないように設定している、ということでごさいます。 (2022年9月27日 23時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もふもふ子 | 作成日時：2022年9月17日 4時
