雛鳥の足跡…1つ ページ1
身体はあちこち傷だらけ、血塗れ…。
とくに足首あたりの傷が酷すぎてもう歩けたもんじゃない。
喉も焼けてヒリヒリして、声も出せそうにない。
そんな私の周りを、異質な者を見るように人々が取り囲む。
そりゃそうだ。
だって、私は突然ここに現れたのだから…。
単刀直入に言うと、私は異世界から飛ばされてきた。
帰りたくても帰るすべを持たない。
そのすべを持っていたってどこに飛ばされてしまうか分からないので、自分のいた世界へと帰れる保証はない。
今さら帰ったってもう…全てが手遅れだ…。
愛した家族も、国民も、殺されてしまっているであろう。
どうしてこうなった…どうして異変に気づけなかった…？
巻き戻してみたってきっと分からない…意味は無いだろう。
悔しくて悲しくてボタボタと涙が滴る。
なぜ私だけ生かされた…。
どうせなら、愛しい人達とともに、一緒に…死にたかった。
自分を取り囲む周りの者など気にせず嗚咽を漏らす。
朦朧とする意識の中で、ふと刺さってくる視線が気になった。
そちらを向き人垣の隙間から遠くに見えるそれは、変わった髪型に逞しい体躯の胸に大きな刺青をした男の人。
目が合ったことに驚いたのか、大きな身体がピクリと跳ねる。
その人の後ろに、銃を構える人影が見えた。
私を見ていてどうやらその存在に気づいてない模様。
もしかしたらその人は悪者で、狙われているのかもしれない。
でも、なぜだかそんな風には思わなかった。
自分の世界の助けられなかった者たちの分まで、あの人を助けられたら…と罪滅ぼしではないがそう思う。
最後の力を振り絞って、動かぬ身体を叱咤する。
一瞬で、本当に瞬間移動かのように一瞬で彼のもとへ行き、その大きな身体を突き飛ばす。
突然の出来事でビックリしたのか、なっ！？と驚く声とともに銃声が響いた。
自身の肩へとその弾丸がくい込み血が舞い、その出来事に人垣は悲鳴を上げばたばたと逃げていく。
最後のとどめに、もう、意識を持って保っていられそうにない。
おい！？と突き飛ばした人に肩を揺さぶられた感覚に、あぁ…助ける事が出来たんだと口元が持ち上がる。
舌打ちの音と、ちょっと待ってろと言う声がして、頭を撫でられた気がする。
銃を撃った者へと駆けていくその背を見た姿が最後に、深く意識が沈んでいったーーーー。
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もふもふ子(プロフ) - 如月さん» ありがとうございます(*ˊ˘ˋ*) (2022年10月6日 22時) (
レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - もふもふ子さん» かわいいから問題無しです！！ (2022年10月6日 19時) (レス) id: 4efb850e8a (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - 如月さん» 幼女な夢主さんが好きで来られた方々には紛らわしい題名ですよね…申し訳ないです… (2022年10月6日 13時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
如月(プロフ) - 雛鳥って書いてあるから子供かな？って思ったけど成人してたわ (2022年10月6日 12時) (レス) @page7 id: 4efb850e8a (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - thmrt1214さん» ありがとうございます！このお話でマルコさんをもっと好きになって頂けて大変光栄です！続編は大人のお話を入れ込んでいきますので、未成年の方は閲覧できないように設定している、ということでごさいます。 (2022年9月27日 23時) (レス) id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もふもふ子 | 作成日時：2022年9月17日 4時
