𝐒𝐭𝐨𝐫𝐲 56 番外編：𝚅𝙰𝙻𝙴𝙽𝚃𝙸𝙽𝙴’𝚂 𝙳𝙰𝚈 4 ページ7
夕飯も終わり一息ついている所で、これ開けてもいい？とペンギンが風呂敷を摘む。
うん！とチィオは元気よく応え、なんだなんだ？と包みを解くペンギンの手元を見るみんなに混じって、どんな反応をしてくれるだろうとドキドキした。
はらりと解かれ、箱の蓋が開けられて…ピシッとチィオの身体が固まる。
みんなは中身を見て、何だこれと首を傾げた。
綺麗に並べられていたはずの丸い大福は、ギュッと一箇所に偏り一つに纏まってしまっていた。
｢ぴっ、ぴええぇぇぇぇっ！！｣
急に大声を上げたチィオに驚き、ボトボトと涙を零しているのに気付きさらに驚愕する。
ぴえぴえ声を上げて泣いて思いっきり身体を反らし、その反動でガタンッと椅子が倒れ込み、ゴロリとチィオが転がり落ちた。
｢ちょ、大丈夫か！？｣
慌ててペンギンがそばに寄り両腕を差し出すが、プイッと拒否されガン…とショックを受ける。
｢頑張ったのにっ、作ってもらって綺麗に包んでくれたのにっ…ぴっ、ぴげッ｣
なんで、どうしてとわんわん泣く。
浮かれてぴょんぴょん跳び跳ね過ぎたせいか、早く帰ろうと大きなコウテイペンギンを選んだせいで振動が強すぎたのか。
もっと慎重に歩いて帰るべきだったとぴすぴす泣くチィオに、みんなは困惑する。
嗚咽が少しおさまった頃を見計らって、ペンギンはどうしたんだと仰向けに転がるチィオの腹を優しく摩った。
あれは何なの？と極めて柔らかな声で問いかければ、チィオは海岸沿いでの出来事をポツポツと話し始める。
その内容に、ペンギンたちの心臓はキュウ〜ンとなった。
｢ほら、おいで｣
ペンギンは上からチィオを見下ろし腰を曲げてまた両腕を差し出せば、今度はんっとフリッパーが伸ばされてホッとする。
優しく抱き起こして、抱えたまま椅子へと座った。
｢別に落とした訳でも無くなった訳でもねぇ、切り分けたら食える｣
そう言ってローは大きな手でチィオの頭をなでる。
｢女の子からチョコゲット〜｣
｢おれバレンタインにチョコ貰うの初めて！｣
シャチがにやにやと笑ってそう言って、ベポはポンと手を合わせて瞳をキラキラさせた。
𝐒𝐭𝐨𝐫𝐲 57 番外編：𝚅𝙰𝙻𝙴𝙽𝚃𝙸𝙽𝙴’𝚂 𝙳𝙰𝚈 5→←𝐒𝐭𝐨𝐫𝐲 55 番外編：𝚅𝙰𝙻𝙴𝙽𝚃𝙸𝙽𝙴’𝚂 𝙳𝙰𝚈 3
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 264人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
つばめ - 彼女元の姿に戻った➕同時にペンぺん🐧ちゃんと恋人同士か最高他の皆とも仲良しで楽しそう (5月19日 1時) (
レス) @page50 id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
つばめ - ローが風邪をひいてしまっているのでしょうがないですがそれでもコレは素敵です別のでローも出れば尚更👍 (5月19日 0時) (レス) @page31 id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
つばめ - 入れ替えハプニング面白いです (5月19日 0時) (レス) @page30 id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
つばめ - 通常版も含めて更新楽しみにしてます (2023年4月13日 23時) (レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ子(プロフ) - つばめさん» お返事遅くなりました(> <)ローの能力の暴走！それは面白そうですね！遅くなるかもしれませんが、リクエスト賜りました(*^^*) (2023年4月4日 0時) (レス) @page19 id: 3d96900827 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もふもふ子 | 作成日時：2023年2月4日 19時
