ハートの海賊団中心短編集【ONEPIECE】 (ページ10)

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はい？異世界から来たからって、なんでも許されるとお思い？ページ10

カラン…と音を立てて皿が床に転がる。
今日は木製の皿でよかったと思いつつ、無惨に床へと落ちたものをひとつ拾い上げて、目の前の女の口へとガッと突っ込んでやった。

時は幾ら遡ろうか。
海上のど真ん中で、強い光とともにポーラータング号の甲板に現れた女の子。
早いが話、異世界からやって来たんだって。
それを理由に彼女は船に居座り続けている。
次の島まで乗せてやるとキャプテンは言ったが、それをここは無人島だからだとか、田舎臭くて嫌だとか、治安が悪いから怖いだとか、エトセトラ…。
何かと理由を付けて居候している。

まぁ、それはいいとしよう。
そんな彼女はキャプテンに猛アタックしていた。
四六時中べったりと張り付いて、若さ故のキャピキャピとしたアプローチ。
もちろんそれにキャプテンが靡く訳もなく、見込みがないと察知すればコロリとシフトチェンジ。
今度はペンギンにターゲットロックオンした。

ペンギンもペンギンでね、彼女の好き好き攻撃をはははと笑って軽く去なしてやんの。
あれだけ可愛い容姿をしているのによく靡かないねと問えば、ついこの間までキャプテンに引っ付き回ってたのに、おれが好きたなんて絶対ウソじゃんと軽く笑った。
えー、私が男だったらあんなにチヤホヤしてもらったらコロッといっていまうわと言えば、フッと鼻で笑われてムカついたから思いっきり脛を蹴ってやった。

それからペンギンも靡かないと見切りを付けて今度はシャチあたりかなと思っていれば、なんと矛先は私だった。
なんでも、ペンギンが靡かないのは私のせいだと。
ん？ああそうね、私とペンギンは付き合ってます。
それを知って、私に八つ当たってるみたい。
事ある毎に嫌味をつらつら言ってきたり、喋りかけても無視してきたりね。

アンタよく耐えれるわねってイッカクに言われるけど、ぜんぜん平気よ。
彼女は18歳、私は28歳。
キャンキャンとチワワが頑張って吠えてるみたいでね。
それが可愛いのなんの。
ペンギン取られるとか思わないわけ？だなんて言われたりもしたけど、そんな心配するだけ損だわ。
あの人私にゾッコンだもの。
そう言えば、あーはいはいご馳走様～と軽くあしらわれた。
聞いたのはそっちなのに…。

イッカクは彼女みたいな子無理そうだよね、絶対すぐ殴るでしょと笑えば、私を何だと思ってるのよとボカッと殴ってきた。
ほら、すぐ手が出る。
そういうとこだぞ。
忍耐力を鍛えなよと言えば、またボカッと殴ってきた…。