ハートの海賊団中心短編集【ONEPIECE】 (ページ7)

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｢キャプテン、おれからもお願いします｣
｢雑用でもなんでもやります。戦闘も出来ます。今の船では私が一番強いですっ｣
｢おれは構わねぇが…｣ー

ちらりとローは敵の船長へと視線を向ける。
ローと目が合った男は、ガハハハと豪快に笑った。
船長として面目が立たないが、ソイツが一番強いのは事実だ、保証できるぜとニヤリと口角を上げる。
おれの船のクルーのようであってクルーではない。
いつか肉親に会えるまでと、保護していただけなようなもんだ。
肉親が見つかった今、おれのお役目はごめんだとウミの頭を撫でた。

｢そっちで話ができてんなら問題はねぇ｣

ローがそう言えば、ペンギンとウミとシャチがワッと手を取り喜びあった。
大事な戦力を引き抜く分、負傷したクルーの手当はしてやろうとローが言い、どこかで見たことある顔だと思えばお前さんもしかして死の外科医か！？船長の男は驚く。
そうだとローが頷けば、停戦しなければこりゃ負けてたなと男はヒェッと慄いた。

ローの施す手当てが終われば、別れの時となる。

｢お頭…私を助けてくれて、今までこの船に乗せて下さってありがとうございました｣

この船を抜けること、申し訳ありません、みんなも今までありがとうとウミは頭を下げる。
ウミのその言葉に、寂しくなるな、お前が抜けた後この船大丈夫かな…など、クルーたちはバシバシとウミの背などを叩き笑って告げる。

｢今まで離ればなれになっていた時間を、これからはずっとそばにいて埋めていけよ｣

無骨な大きな手でわしわしと頭を撫でられた後、とんっと肩を押される。
よろめいて数歩後ろにたたらを踏めば背に何かが触れ、背後から伸びてきた腕に囲われた。
ウミがちらりと見上げればそれはペンギンで、コツリと額を合わせれは、帽子が邪魔ねと笑いあった。

その様子を見届けたウミの船の者たちは自分たちの船に乗り込み、航行を再開させた。
船が遠ざかり皆が見えなくなるまでウミはじっと見つめ、くるりと身体を反転させローたちへと向き直る。

｢改めまして、私はウミスズメ。ペンギンの姉です。これからご厄介になります｣

どうぞよろしくお願いしますと頭を下げれば、新しい仲間だ！とクルーたちは、どっと湧いた。
この船のこと教えてねと隣のペンギンに問いかければ、もちろんと柔く手が握りこまれた。