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どういうことだと、ペンギンとウミと呼ばれた女の元へわらわらと皆が集まる。
｢お頭…。この子、私の弟なんです｣
弟ーー！？と、ハートの海賊団のクルー達から驚きの声が上がった。
お頭と呼ばれた男は、ほう…と眼を丸くする。
｢こんな海のど真ん中で会えるとはなぁ｣
何の巡り合わせか分からねぇがよかったじゃねぇかと、無骨な大きな手がわしゃわしゃとウミの頭を撫でた。
ほろりと涙が流れ、ありがとうございますとウミは微笑んだ。
｢本当にペンギンなのね。嬉しい…｣
あの日奇跡的に助かったのよと微笑むウミの頬を、ペンギンはするりと撫でる。
温かい…ちゃんと血が通っている…生きている…。
喪ったと思っていた大事な家族が、生きていた…。
これが夢なら覚めないでと強くキツく抱きしめた。
｢泣かないでよ、ペンギン｣
｢姉さんだって泣いてるし…｣
そうね…と呟いて、背に回された手がギュッと握られる。
そこに、ウミ…と、控えめに声が掛かり、信じられないという雰囲気を纏いペンギンとウミをシャチが見ていた。
｢あなた、シャチね。相変わらずペンギンと一緒にいるんだ｣
そっとペンギンから離れて両手を広げればそこにシャチが飛び込み、よかった…よかったとシャチは繰り返す。
大きくなったねとウミが背を撫でれば、どんだけ経ったと思ってんだよ…会わない間に背、越しちゃったぞと可愛らしく文句を垂れながら縋りついた。
そこにペンギンが近寄って二人の背をポンポンと叩き、三人で視線を交わして微笑み合い、またガバリと抱き合った。
その様子を、事情を知る者、知らない者のどちらも静かに見守っていた…。
｢お頭、私…｣
落ち着いた頃に何かを訴えるようにウミは船長を見上げる。
それに対し船長は、あぁ分かってると頷いた。
｢あなたが、この船の船長ですか？｣
｢そうだ｣
｢私はウミスズメ。この子…ペンギンの姉です。突然で申し訳ありませんが、あなたの船に、私を置いては頂けませんでしょうか…？｣
背の高いローをウミはじっと見上げる。
どちらも微動だにせず見つめ合っていると、そっとウミの肩にペンギンの手が添えられた。
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作者名：もふもふ子 | 作成日時：2022年11月23日 2時
