ハートの海賊団中心短編集【ONEPIECE】 (ページ37)

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なんで…どうして…とペンギンはぐるぐると思考を巡らせる。
彼女は、自分にとってとても大切な、淡い恋心を抱いていた、幼馴染みの愛しい女の子。
旅立つときに、みんなで話し合って彼女を故郷に置いてきたはずなのに…。

ぼうっとしてしまっていれば、ヒタヒタと靴のない脚が数歩近寄ってきた。
そっと面を上げて彼女の顔を伺えば、可愛いから綺麗へと変貌を遂げた、大人の女の子。
だがその顏には、別れた当時の面影がしっかりと残っていた。

｢お前、なんちゅー格好してんだよ｣

昔のお前はこう、もっとひらひらしたスカートやワンピースが好きだっただろう？とシャチが言う。
そう言われた彼女の格好は、ピッチリとしたタイトなミニスカートに、これまたピッチリと身体に沿う、お腹が顕になったTシャツであった。

｢今でも大好きよ。島を散策する時は絶対にひらひらお洋服だもの。でもこんな海の上ではそんなお洋服は邪魔でしょう？｣

ていうか何、このどうでもいい会話…とAは眉と口をすぼめる。

｢なんで、ここにいんの？なんで、海賊なんかになってんの…｣

ペンギンがそう問かければ、あぁ…と考える素振りをしたあとにっこりと綺麗に微笑み、人差し指を頬に当てて首をこてりと横に倒す。

｢ちょっと、あなた達に文句を言いたくなっちゃって｣

思い切って島を飛び出したのよ…と、まさか会えるとはね、ジョリーロジャーがどんなものだったか覚えててよかったと、そしてまたひたひたと数歩ローたちの方へ近寄った。

｢よくも私だけ置いてけぼりにしやがったなクソ野郎ども♡｣

とっても素敵な笑顔で言い放ち、あースッキリした！と両腕を上げて踵を返した。
そんな彼女をローたちは、待て待て待てと必死に引き留めた。