ハートの海賊団中心短編集【ONEPIECE】 (ページ28)

今日:3 hit、昨日:10 hit、合計:20,754 hit

さあ、これからどうしたらいいものかページ28

○名前変換あり○ 異世界トリップネタ

✂ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー✂

ここはどこなのだとAは混乱する。
前方の視界に映る景色は全て海。
右を見ても左を見ても、辺り一面真っ青な海原しかない。
どういう事なのだと振り返れば、そこには扉があった。

｢ここは、船…？｣

先程の前方と左右は欄干で囲われていて、床は板張りのここはきっと甲板だ。
少しゆらゆらする脚の感覚に、現実だと思わされる。

一体なぜこんなところに…。
確か自分は道場にて稽古をしていたはず。
そこで急に酷い目眩が起きて慌てて握っていた薙刀を床について、倒れまいと耐え忍んだ。
グルグル回る視界に、サァッと血の気が引くような感覚。
それがなんとか治まりギュッと瞑っていた目を開けると、今の状況になっていた。
訳が分からない…とAは痛む頭を、こめかみを揉んで和らげる。

どうしようかと思っていると、ガチャリと扉が開く音がしたので俯かせていた顔を上げれば、そこには深く被られ目元の見えない可愛らしいポンポンの付いた帽子を被った男と、こちらもサングラスが掛けられ目元が見えないキャスケット帽を被った男がいた。

｢は…？誰お前｣
｢どっから現れたの？能力者？｣

冷んやりとした空気が肌を刺してきた。
こんな気を受けたことない…これは、殺気…？とAは焦る。

｢あの、私にもわからなくて。能力者とは…ッ！？｣

とぼけるなよと言ってポンポン帽の男が急に長槍を振りかぶり、襲ってきた。
なんとか薙刀の柄で受け止めたけれど、Aは柄に食い込む長槍の刃に驚く。
このままでは力に負けて柄が折れてしまう…と、間合いを見計らい力を弛めて去なし、身体を反転させて距離をとる。
ポンポン帽の男は、おっ…と驚いたような声を上げたけど、余裕のある声色で何だか腹が立ち思いっきり薙刀を振りかぶってやった。
難なく受け止められて、また腹が立つ。

｢威勢がいいね、お嬢さん｣
｢敵に背を向けちゃダメっしょ～｣

しまった…もう一人いたのだとAは思う。
背後から迫る気配に慌ててしゃがみ込めば、ちょっ！とポンポン帽の焦った声が聞こえたと同時にキンッと音が鳴る。
ちらりと頭上を仰げば、ポンポン帽の男が長槍の柄でキャスケット帽の男の刀を受け止めていた。
危なかった…とAは少し詰まっていた息を吐いた。