ハートの海賊団中心短編集【ONEPIECE】 (ページ13)

今日:10 hit、昨日:13 hit、合計:20,774 hit

▸▸▸‣ ページ13

それに…と言葉を続ける。

｢働かざる者食うべからず…て言葉、ご存知かしら？｣

弱々しく頷く彼女に、なら今まで貴女は何をしてたのと問えばバツが悪そうに視線を逸らした。
なにかと理由をつけて居座るくせに、貴女は何をした？
戦闘が出来ないのはまぁいいとしよう。
でも炊事洗濯掃除などの雑用くらいならできるだろうに、それさえも一切せずタダ飯を食らう。
なのに不味いから質素だからという理由で食べ物を粗末に扱うとか、最低よね。
本来ならご飯を食べれる権利などないはずなのに。
そう言って彼女に一歩近づけば、ビクリと身体を竦みあげる。

｢…あぁ、ちょうどいいか｣

ガッと彼女の胸ぐらを掴んで強制的に立ち上がらせ引きずり歩き、ポイッとキッチンへと放り込んで見下ろした。

｢今日の夕飯ね、カレーなの。基本中の基本の料理だから簡単よね。私の飯が不味くて食べられないと言うのなら自分で作りなさいな｣

はいっと包丁を振り下ろせばヒッ悲鳴を上げ手を握りこみ、ふるふると首を振る。
何だと言えば、料理をしたことがない…だと？
よくもまぁそんなので人の飯が不味いだのなんだの言えたもんだ。
でもそんなもの知るか…と、また強制的に立ち上がらせて包丁を握らせる。
こんな私たちの様子をペンギンたちはおにぎりを頬張りながら傍観してした。

こら、じゃがいもは皮をむく前に洗いなさい。
皮はもっと薄く剥いてよ食べるとこなくなるじゃん、食材を無駄にしないで。
そんな小さく切ったら煮込んでる間に跡形もなく消えちゃうでしょ。
カレールウ？え、なにそれ？
ほーそんな便利なものが貴女の世界にはあるのね。
この世界？そんなものある訳ないでしょ。
スパイスを合わせて作るに決まってるでしょ。

｢ごめんなさいママ！もうしないから許してっ｣
｢ま"…ママ…だと…｣

隣でつらつらと小言を言い続けていれば、ついに耐えきれなくなったのかわんわんと大声を上げて泣き出した。
ママか…まぁこんな可愛い容姿の子のママなら悪くないわね。
そう思っていれば、こちらにチクチクと刺さってくる視線。
おいこらペンギン、なんだその目は。
シャチも、あれキャプテンまで。
え、何？声に出てた？
いいじゃん別に、もう怒ってないし、可愛いのは本当だし。

今日の夕飯のカレーは、溶けて跡形もないじゃがいもと歪な形の具材たち、だが味は最高に上手いカレーとなった。