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出会いは1冊の本より 11 ページ13

「ずっと気になってたんだけど、これは何なの?可愛いね」

Aはそう言い、側でふよふよ浮いている金色の相棒を指さした。

「僕の師匠から譲り受けたゴーレムで、ティムキャンピーって言います」

大事な友達なんですよとアレンは続ける。
師匠って?と問いかけると、それはまた後で話すよと言われた。
彼女は横目でうんと返事をしつつ両手で受け皿を作った手を、ティムキャンピーに伸ばす。
意図が分かったのか、その手にちょこんとティムキャンピーが乗ってきてくれた。

「わっ可愛い!初めてまして、私Aって言うの。よろしくねティムキャンピー!」

大事な友達だと言ったからか、彼女がティムに挨拶をしてくれた。
それがとても嬉しく思う。
ティムキャンピーもよろしくというように、ガァっと口を開けて答えた。
そして手から飛び上がり、Aの頭にポスッと身を下ろした。

「君のことが気に入ったみたいだね」
「本当!?アレンと間違えてるって事はない?」

同じ顔だし…といって楽しそうにきゃらきゃらと笑う姿は、綺麗な容姿のため少し大人びて見える彼女が年相応のようで、とても可愛いと思った。

広いフロアをてくてく歩き部屋にたどり着く。
内開きのドアを開け、どうぞとAに入室を促した。
部屋に入ったAは先に奥に進むのは気が引けるので、くるりとアレンの方を見て待つ。
するとアレンはドアを数cmほど開けたままにし、こちらを振り向いた。

「え、ドア閉めないの?」
「え、部屋に男女が二人きりになってしまうんですよ?」

当たり前じゃないですか、なんて言われてしまった。

「…紳士が過ぎるよ、アレン…」
「当然のことです」

そそっとアレンの側まで行き、バタンっガチャリとドアと鍵まで締めてやった。

「あっ、何するんですか!!」
「もう!酒場の人達のあの目、見たでしょう!?後をつけてきてたら怖いじゃない!!」

ガチャガチャガチャとドアノブと鍵の攻防戦が始まる。

「でも、僕は男です!それでも絶対に譲りません!!」
「そんなのわかってるよ!でもアレンが悪いことするような人じゃないって、出会って間もないけど雰囲気や態度でわかる!!」

ちゃんと信頼してやってますぅぅ!!と叫んでやると、アレンはピタリと動きを止め、うぐぐ…と唸った。
じっと見つめられたので、こちらも譲らんと見つめ返してやる。
数秒の後、アレンはずーんと肩を落とし、深い深いため息をついた。

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設定タグ:D.Gray-man , Dグレ , アレン・ウォーカー   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:もふもふ子 | 作成日時:2022年8月7日 21時

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