異能力：《カゲロウデイズ》【文スト】【(微量の)カゲプロ】

02.気にしたら終わり ページ5

NO SIDE.


「うぅーん……」

『あッ起きたぁ！おはよーございまァァァす朝でっす』

敦「朝…とは言い難いと思うんだけど」

『細かいことは気にしなくてだいじょーぶ！とにかくおはよぉ』

「うぅん…私の自 殺を妨げたのは君たちかい？チッ」

『こいつ色々聞き捨てならない事言ったんだけど』

敦「舌打ちしたよね……」

「……！！……可憐なるお嬢さん、ぜひ私と心中を…！」

『いや心中やだ』

「何故！！！」

敦「いや何故も何も……」


敦はそう苦笑するが、Aは何かを考えている。

少しの間をおいて口を開いたAは、こう言った。


『何故って…僕2回…いや厳密には3回目だけど、とにかくまた死ぬのやなんで』

敦「“また”………？」

「……。」

『そこは気にしたら終わり。そーゆーことってこと』

敦「？？？」

『まぁ取り敢えず心中はお断りだ！僕と心中したいなら可愛い猫ﾁｬﾝになって出直してこい！！』

敦「急に高圧的」

「……………僕っ子もいいね」

『あれ、僕もしかしてこの人の性癖歪めた？？』

「…あぁ、だから責任を取って私と心中を…！」

『だから嫌だって言ってんだろ！！』

敦「無限ループ………」


ぐうぅぅぅ。

突然、腹の音が聞こえた。


『…敦相当腹減ってんだね』

敦「あはは……」


ぐうぅぅぅ。

またかと思いAが振り向くと、自 殺癖の男が腹を押さえていた。


『…この人に助けたお礼として奢ってもらえば？』

敦「確かに…」

「いやぁそれが、川に飛び込んだときに流されちゃったみたいで」

『馬鹿すぎない？？』

「シンプルな罵倒！！」

敦「くそぅ、助けたお礼に奢ってくれるというシナリオは見えてたのに…！」

『敦、空腹のあまりなんかおかしくなってない？？』


と、そのあたりで一同には怒鳴り声が聞こえてきた。


「太宰ィィィ！！」

太宰「あ 国木田くん」

国木田「この唐変木がァァァ！仕事中に「いい川だね」などと言って川に飛び込むことがあってたまるか！」

『モノマネ似てなっ』

国木田「う、五月蝿いぞ小娘。…とにかくだ、はやく仕事に……」

太宰「あ！そうか国木田くんに奢ってもらえばいいんだぁ！敦くん何食べたい？」

敦「……茶漬け、茶漬けが食べたいです」

太宰「空腹の少年が茶漬けをご所望か！！はは、いいねぇ国木田くんに沢山奢らせよう！！」

国木田「名案かのような声色で話すな！！誰が払うと言った…！俺は払わないからな─────」



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