08.亜空間を視ているような ページ11
NO SIDE.
国木田「は?」
『だーかーら〜!別に僕腕折られても持ってかれても今のところはなんにも言う気ないよってコト』
敦「クレイジーだ………」
太宰「Aちゃんらしいね」
『それ僕がクレイジー、つまり狂ってるって言いたいってことかな???』
太宰「いや、そこまで言ってないって!!だからその拳と殺気を抑えようか…!」
珍しく焦る太宰。
まあ、Aがいつものテンションの数十倍怖いからだろうか。
太宰「まぁ、気を取り直して……と」
『…む』
太宰「敦くん、餌にな………ゴホン協力してくれる気にはなった?」
敦「今完璧に餌になるって言いかけましたよね!?」
太宰「まさかぁ」
『2対1ですよ??』
太宰「」
国木田「ええい早く話を進めんか!!!」
太宰「あ、そうだったね〜…。……敦くん。そんなに嫌がっているようだけど……」
太宰はここで言葉を切り、ニヤリと笑った。
太宰「この仕事、報酬が出るんだよ」
そこからは早かった。
報酬に釣られた敦は二つ返事で協力を約束してしまったのだ。
次はAの番。
太宰はAに畳み掛ける。
太宰「…さぁさぁAちゃん。敦くんも協力するし、今後の“事情聴取”のためにもそばにいてほしいのだけれど……」
『……あーもう!!分かりましたッてば!!ついてきゃいーんだろ!』
敦「なんかキャラ崩壊してない?」
『ただ1,2分待って!!相談するから』
国木田「相談?」
“相談”。
この一言でこの場の全員は誰かに電話でもするものだと思った。
しかしAは席から動くどころか、俯いて微動だにしなくなった。
国木田が声をかけても、太宰が肩を控えめに叩いても反応の一つもない。
流石に心配になった敦は、彼女の顔を覗き込んだ。
────そして、息を呑んだ。
Aは、また“あの目”をしていた。
暗くて、
虚ろで、
まるで此処に居ないかのような。
此処でない亜空間を視ているような。
.
186人がお気に入り
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
宵凪(プロフ) - ただの一般人さん» ひょえわぁ!?!?めちゃくちゃ褒めてくださる……✨✨✨めっちゃ励みになります、ほんとにありがとうございマス…!!これからも更新頑張ります、ぜひ2もよろしくお願いします〜〜!! (2023年4月20日 7時) (レス) id: 828efe0dfb (このIDを非表示/違反報告)
ただの一般人 - すっ…すごい…!!絵も物語も上手いだなんて…。宵凪さんの文の書き方と絵柄が、めっちゃ好きですちょっとわけてくれませんかお願いします(切実)カゲプロも文ストも好きなのでもう…ダメだ好きすぎた(遺言) (2023年4月20日 2時) (レス) id: 3f9059dfb5 (このIDを非表示/違反報告)
宵凪(プロフ) - りりり ( ´・ω・)(・ω・` )@受験多忙さん» りりりさんありがとうございますッッ!!㊙エピソード好評で何より……!これからも頑張りマス!応援ありがとうございます!!! (2023年2月19日 10時) (レス) id: 47abe22f42 (このIDを非表示/違反報告)
りりり ( ´・ω・)(・ω・` )@受験多忙(プロフ) - 途中で出てくる㊙エピソードと一緒に読むと更に楽しめて良いと思いました!!続編も出てるみたいなので拝見させて頂きます!あくまでもご自分のぺースで頑張ってください…!! 長文失礼いたしました! (2023年2月19日 1時) (レス) id: 287586b201 (このIDを非表示/違反報告)
りりり ( ´・ω・)(・ω・` )@受験多忙(プロフ) - 遅くなりましたが、イベント参加ありがとうございました…!! 夢主の目の設定がかっこいしテンションブチ上がってる中垣間見せるクールな一面が素敵だと思いました!! というか織田作…めっちゃ気になるし敦君の想いがどうなっちゃうのかも気になります… (2023年2月19日 1時) (レス) id: 287586b201 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:宵凪 | 作成日時:2023年1月22日 12時