15棹 家族 ページ15
扉が開いたのを横目で確認した少女が扉へと目をやれば、洋服を来た鼠？の様な者、もとい根津がそこに立っていた。
根津はベッドに上半身を起こしながら座っている少女を確認すると、右手を上げてニッコリと笑った。
「やぁ！鼠なのか犬なのか熊なのか、かくしてその正体は根津さ！」
根津の明るい声が病室に響き渡った。
だが、少女は理解できないとばかりに首を傾げていた。
その様子を見た根津は手をゆっくりと下ろし、少女のベッドまで足を運んだ。
根津が少女のベッド脇に立つと手を少女の頭に乗せ優しく撫で始めた。
慈悲深い暖かいその目と手の感触に少女は涙腺が緩み、堰を切ったように涙が溢れ出した。
「っ…っ！…。」
声の出ない少女の嗚咽混じりの心からの叫び声を聞きながら根津は口を開いた。
「痛かっただろう。苦しかっただろう。でも、これだけは言わせて欲しいのさ。…君に会えることが出来て本当に嬉しいのさ。生きてくれてありがとう。」
少女にはまだ理解できないのも承知の上で根津は少女にそう言って笑った。
下を向きながら少女は服の袖で涙を拭っていたが、その時は想いが通じたのか何度もこくこくと頷いていたのだった。
少女が泣き疲れて眠ってしまいったのを見計らい、根津は扉の前に待機していたリカバリーガールを呼びに行く。
「疲れて寝てしまったのさ。…彼女がエルフであるかの決定的な証拠が見たい。できるかい？」
「分かってるさね。それじゃ、根津以外は部屋に入ってくるんじゃないさね。」
リカバリーガールは扉の前にいるヒーロー達に念入りに釘を刺すと、部屋の中に入っていった。
少女のベッド脇に立つリカバリーガール。
足の布団を剥ぎ、少女の着ていたワンピースタイプの入院着を太腿まで捲り上げた。
左太腿に右側にはない少女の白肌に映えるミントグリーンの色をした紋章が刻まれてあった。
エルフを証明する長耳に紋章。
これらを確認した根津は、明るい声で言う。
「よしっ！今日から彼女は私の娘なのさ！｣
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小説ワンコ(プロフ) - とても面白いです！こういうタイプの勘違いものって以外に少ないので、更新が楽しみです！更新頑張ってください！ (2019年6月12日 21時) (
レス) id: 14f0588910 (このIDを非表示/違反報告)
もーふ(プロフ) - ノルンさん» ノルン様2回もコメントを下さってありがとうございます。そう言って頂けて本当に心から嬉しいです。更新が遅くて申し訳ないですが、面白い話を書けるように頑張ります。 (2019年5月30日 8時) (レス) id: 389f10ddc3 (このIDを非表示/違反報告)
ノルン(プロフ) - 更新お疲れ様です！！！気になってたのでめっちゃ嬉しいです、有り難うございます！ (2019年5月13日 21時) (レス) id: 265a916812 (このIDを非表示/違反報告)
もーふ(プロフ) - ノルンさん» 返信が遅くなり申し訳ありません。その言葉を言って頂けるだけで本当に嬉しいです、ご期待に添えずに更新が滞ってしまい申し訳ありません。ゆっくりではありますが、頑張っていこうと思います。コメント本当にありがとうございます。 (2019年5月6日 22時) (レス) id: 389f10ddc3 (このIDを非表示/違反報告)
もーふ(プロフ) - たみさん» 返信が滞ってしまい申し訳ありません。夢主ちゃんの活躍は私も練りに練りまくっております。面白さを届けつつ矛盾しないように頑張ります。コメントは本当に励みになります。ありがとうございます。 (2019年5月6日 22時) (レス) id: 389f10ddc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もーふ | 作成日時：2018年8月12日 18時
