★ ページ8
JK side
「え、そんなこと気にしてたの」
つい思った事が口に出てしまう
緊張が一気に解け、ヒョンたちの表情もどこか柔らかくなった
質問をした記者も意味がわからないという顔をしている
A「"そんなこと"ではありません」
隣に座るAだけは一切表情を崩さず、綺麗な灰色の瞳で俺を見つめ、さっきより少し張りのある声で言い切った
そんなAの姿に、その場にいた者全てが釘付けだった
視線を前に戻し、真っ直ぐにその記者を見ながら言葉を続ける
A「皆さんが築いて来られた功績もそうですが、"黄金マンネ"という肩書きは、ジョングクさんの努力とそれを応援するファンの皆さんによって生まれたものです、」
A「…だから………」
それまで迷わず淡々と言葉を紡いでいたAが、少しだけ弱々しくなった。
A「僕には、その肩書きを奪う資格も、実力も無いのに、本当に……」
申し訳ないです
僅かに震えた声で、そう言い切った
何故だろうか。先程まであれほど凛としていたのに
いや、凛としているように見えてただけか
今はとても、小さい子供のように見える
ふと手元を見れば、膝の上でぎゅっと握られた小さな拳
記者たちやヒョン達にバレないように、そっと手を重ねる
一瞬ぴくりと動いたが、安心したように握りしめていた拳を解いたA
A「……なので、頑張ります。皆さんに認めて頂けるように一生懸命頑張ります。」
記者「………っ」
嫌味を言ったにも関わらず真っ直ぐに返された記者は、苦虫を噛み潰したような顔をした
ひと安心したヒョン達はホッと胸を撫で下ろす
ここで終われば良かったのだが、
記者「で、では、もう一つ質問を」
相当悔しかったのか、そいつは無理やり引き攣った笑みを浮かべながら質問を続けた
また緊張が走る
記者「…日本人がグループに加わる事を、皆さんはどう思われますか？」
一瞬で空気が凍り付く
最悪の質問だ
常識的に考えて、絶対に聞いてはいけない質問だとその場の誰もが分かる
RM「…質問の意図が分からないのですが、」
記者「反日教育をされてきた私達にとって、少なくとも日本への印象は良くは無いと思いますが？」
怒りで震えるとは、この事なのだと思った
怒ってやりたかった
それが出来ないのは、俺たちが一般人じゃないから
Aは、相変わらず表情を崩さない
「僕は日本好きですよ」
地獄の様な空気の中、一人のヒョンが声を上げた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 258人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
真理亜 - 続きを待っています。頑張って下さい (4月1日 22時) (
レス) @page12 id: 2ba0617eeb (このIDを非表示/違反報告)
チャン(プロフ) - 続きが気になりすぎる（ ; ; ） (2月8日 17時) (レス) @page10 id: ecab7ed746 (このIDを非表示/違反報告)
ひな - 今1番大好きな小説です、続きを楽しみにワクワクしてます、素敵な小説を作ってくれてありがとうございます(*^^*) (10月3日 14時) (レス) @page2 id: 06d8f4ff44 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：v.moff | 作成日時：2023年6月10日 14時
