Ｃ家の鬼畜医者 (ページ10)

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その9 ページ10

貴「失礼します。クラッカー様。」

中から低い男の声で「入れ。」と告げられる。

部屋に入るとそこにはカタクリとまではいかなくとも自分より遥かに大きい、紫色の髪を天辺と左右に結った強面の男がいた。何故か左右の髪の端には火花が散っている。

貴『・・・なんだこの人・・・。めっちゃ髪燃えてんだけどどういう構造だ？クラッカーってのはこの人の子供なのかな？』

ク「なんだお前？給仕じゃないな？おやつの時間に何の用だ？」

貴「えーっと・・・、クラッカー様にご挨拶に来たんですが。クラッカー様はどちらに？」

ク「はぁ？おれの事も知らないのか？クラッカーはこのおれだ。」

貴「・・・。」

貴『ん？ちょっと待て。今クラッカーって言ったな？

・・・。つまりこの男の人がクラッカー！？いや、めっちゃ大人じゃん！？注射嫌いの！？いや、注射嫌いな大人は沢山いるがそれで逃げて暴れる8億の！？』

ク「おい。何真顔になってるんだ、失礼な奴め。名を名乗れ。」

貴『えー・・・この人に"奥の手"使うのかぁ・・・。まぁ、子供相手に使うのは正直気が引けてたから良いか・・・。さて、乗ってくるか・・・？』

貴「クラッカー様、初めまして。Aと言います。」

膝まづいて右手をそっと伸ばした。

ク「あ？あぁ・・・。」

クラッカーがその手に軽く触れる。

貴『掛かった。』

貴「隷属の鎖(サーヴァトゥチェーン)。」

ク「はっ！？」

瞬間、クラッカーの首に鉄で出来た首輪が現れそれに鎖が連なりAの右手首に現れた腕輪に繋がった。

ク「ッツ！！？？何をした貴様ぁ！！！」

クラッカーの蹴りが勢いよく飛んでくる。

が

あえて避けない、ガードもしない。

《ドゴォォオンンッッ！！！》

左肋にまともに食らって部屋の壁に打ち付けられた。

貴「・・・ッア"！！」

貴『あー。やべーめっちゃ痛い。久々だなぁこんな痛いの。さすが8億・・・。アバラ何本イッたかこれ。』

瓦礫に埋もれながら冷静に自分の体を分析する。

そして同時に響くクラッカーの

「ッッツ！！？？ア"ァァアア"ッ！！痛ってぇぇぇえ！！！！」

悲鳴。

貴『あーうん。そりゃ痛いわ。思いっきり蹴ってくれたもんな。』

見れば左肋を抱えうずくまるクラッカーの姿。

よろりと立ち上がり近づいた。

貴「どうですか自分の蹴りは？いやー、痛いでしょ？」

ク「ッ・・・！！貴様・・・何をした・・・！？なんだこの首輪と鎖は・・・！？クソッ！！取れない！！」