ヘビに睨まれたウサギ:前編 ページ44
どくどくどく、心臓から血液が送り出される音以外、何も聞こえない。何もかもが真っ黒なあの男から、視線が動かせない。見すぎて、あの暗闇に呑み込まれて消えちゃうんじゃないかと錯覚しそう。
なんでイル兄様がここにいるの。
なんでヒソカがいるの。
なんで二人が団長さん御一行と合流してるの。
シャルナークとパクノダにブラックコーヒーを出した後、マスターから休憩を貰った。
それから戻ってきたらこれだ。一体全体何が起こってるのだろう。
たまたまここに来ただけ？
それとも、あたしの居場所がバレた？
ぐるぐるとループする頭の中。まるで警鐘を鳴らすかのように体内で反響する心音。視界をじわじわ侵していく黒い闇。
いくら変装してるとはいえ、勘の鋭いイル兄様のことだ。気づかれるかもしれない。兄様と目が会う前に早く、早く目を逸らさなきゃいけないのに、恐怖で身体が言う事を聞かない。
必死に身体に命令を出している時、ふいに私の視線を独り占めにしている黒が揺れた。
「…‼」
大きな黒い目と一瞬、だけど確かに視線が重なった。慌てて目を逸らし、弾かれるように厨房の奥へと逃げこむ。
逃げこんで離れても尚頭の中を支配する黒色。
大丈夫、バレたわけじゃない。ただ目力がヤバい人と目が合っちゃっただけ。私は目力の強いお客様にガン飛ばされて怯えただけの、ただのウエイトレス。
でも、と頭の中で別の私が待ったをかける。もしバレていたら？今、イル兄様の周りには敵に回すには痛すぎる人達が揃っている。仮に逃げられたとしても、リンじぃは？マリばぁは？ロドニーさんは？私は彼等を、命の恩人を見捨てる真似ができるの？
「…ちゃん、ウルルちゃん‼」
ガッと肩を揺さぶられて一気に現実に引き戻されたと同時にひゅっ、と不自然に空気を吸い込んでしまった。あれ、空気ってどうやって吐くんだっけ、どうやって吸うんだっけ。
ひゅうひゅう喉から変な音を立てていると、突然ぎゅうぅっと暖かい何かに抱き締められ、「大丈夫、大丈夫よ」と頭を撫でられた。
冷たくなっていた身体が温もりを帯びてきて、ようやく地に足が着いた感じがした。
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razubeery_3(プロフ) - ガ、ガッシュお前か〜っ!!金色のガッシュベル知ってます！どっかで聞いたことある技名だと思ったら!!モモンって..お前かっ!!ってなりました!!好きです。ありがとうございます！ (2020年5月2日 21時) (
レス) id: c796482f77 (このIDを非表示/違反報告)
神右宮月左京(プロフ) - あーっ！あっ、あーっ！ガッシュ、ガッシュなのか！！！！やっぱガッシュでねぇがぁ！！！← あっ、好きです、応援してます！！！！！！！！ (2019年3月16日 10時) (レス) id: a8f7f08d5d (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - よいちさん» ガッシュしってますぅうう！ (2019年3月4日 18時) (レス) id: 62572e27eb (このIDを非表示/違反報告)
よいち(プロフ) - 金色のガッシュベル知ってるんですか？HUNTER × HUNTERも好きでガッシュも知ってる…。私の周りにそんな人が居ないので勝手に嬉しくなりました。笑 (2019年3月3日 20時) (レス) id: 2aa16b2381 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 生きてますか (2019年1月25日 21時) (レス) id: e2a4b28c76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪兎 | 作成日時：2018年5月16日 23時
