とある盗賊の団長の話 ページ40
きっかけは何だっただろう。そう、確か動物の体の仕組みや習性についての本を読んだ時だ。その時は知識を頭に入れるというサイクルの一部分に過ぎなかった。
初めてうさぎをこの目で見たのは流星街を出たばかりの頃だ。
数日間ぶっ通しで走り続けていた俺達は、腹ごしらえをする為森の中で食料を探すグループ、道行く奴から奪うグループに分かれて食料を調達することになった。
俺は前者のグループだった。そして見つけたのだ。うさぎが9匹、丁度人数分。変な肉よりは余程美味いだろう、絶をしてうさぎのすぐ近くまで行った。
そこで俺は天国を見た。
もふもふした小さな物体が無防備に腹を見せ、寝転がり、他のうさぎと戯れる、そんな光景を目の当たりにした。図鑑の挿絵とは全く違う愛らしい顔に一瞬で魅せられてしまったのだ。
そのほわほわした横腹に顔を埋めてしまおうか、ふらりとした足取りで一歩踏み出した瞬間、自身の中にある冷酷な部分がそれを抑えた。
これは貴重な食料だ、ひと思いに皆殺しにしろ、と。
ギリギリのところで団長の威厳が保てた俺は絶を解きオーラを放って威圧した。
するとつい先程までじゃれあっていたうさぎ達はたちまち縮み上がり、俺を警戒する。
…驚いた。いつ気絶してもおかしくない筈なのに、尚真っ直ぐと俺を睨みつけるか弱き存在に。
ふと図鑑の説明を思い出した。
うさぎは弱い。それもあってかうさぎは声帯が他の生物と比べて圧倒的に声帯が未発達らしい。
奴等にとって敵に見つかることは即ち死を指すから、なるべく見つからないようにしようということだろう。
そして天敵に遭遇した時も、怯えを必死に隠して喉を震わせ声ではなく音を出し、相手を威嚇する。
そこまで思い出した俺は何の気まぐれかオーラを元に戻しその場を立ち去った。あんな粗末な存在を殺さなかった自分にまた驚いた。
なんとか食料を見つけ集合場所へ向かうと、フィンクスが「うさぎ殺ったぜ！1人1匹な‼」と嬉々としてうさぎを丸焼きにしていた。
大事に隠していた宝物を取られたような、そんな気持ちになった俺はカッと頭に血が上り、つい数日前に作った掟を破って本気でフィンクスを殺してやろうかと思った。それも今や懐かしい思い出だ。
それからというもの俺は蟻地獄に捕らわれたように、ずぶずぶと少しずつ、けれど確実にうさぎの魅力に取り憑かれていったのである。
とある盗賊の団長の話
小さな毛玉に惚れた訳
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razubeery_3(プロフ) - ガ、ガッシュお前か〜っ!!金色のガッシュベル知ってます！どっかで聞いたことある技名だと思ったら!!モモンって..お前かっ!!ってなりました!!好きです。ありがとうございます！ (2020年5月2日 21時) (
レス) id: c796482f77 (このIDを非表示/違反報告)
神右宮月左京(プロフ) - あーっ！あっ、あーっ！ガッシュ、ガッシュなのか！！！！やっぱガッシュでねぇがぁ！！！← あっ、好きです、応援してます！！！！！！！！ (2019年3月16日 10時) (レス) id: a8f7f08d5d (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - よいちさん» ガッシュしってますぅうう！ (2019年3月4日 18時) (レス) id: 62572e27eb (このIDを非表示/違反報告)
よいち(プロフ) - 金色のガッシュベル知ってるんですか？HUNTER × HUNTERも好きでガッシュも知ってる…。私の周りにそんな人が居ないので勝手に嬉しくなりました。笑 (2019年3月3日 20時) (レス) id: 2aa16b2381 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 生きてますか (2019年1月25日 21時) (レス) id: e2a4b28c76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪兎 | 作成日時：2018年5月16日 23時
