79 宿命 ページ31
「ここはオレ達で
食い止める！！」
「あなただけでもここから逃げて！」
嫌だ。わたしも一緒に行く………
「何馬鹿なこと言ってんのよ！」
「ぼく達は大丈夫だから！」
「オレ達も後から必ず行く！
だから逃げろ！！」
「「「「瑠華！！」」」」
…………………………。
何故………おれはあの時、
その言葉を信じてしまったんだろう。
___________________
『ん………んん？』
いつの間にか眠っていたみたいだ。
気がつけばおれは、座ったまま柱に
縛り付けられていた。
あたりは薄暗く、何もない。
……いや、1つだけ。
目の間に古そうなテレビが一台
置いてあった。
ケーブルが後ろに続いているのを
見ると、どうやらまだ使えるみたいだ。
「Ti sei finalmente alzato?
(ようやく起きたか？)」
『！？』
この言語…………イタリア語か？
顔を上げると、例の男が
おれを覗き込むように
こっちを見ている。
『Ehi, queste grandi tette.
Che ne farai di me
(おいおいこのデカブツ。
おれを一体どうするつもりだ？)』
と、からかうように
お国の言葉で返してやった。
「Hmm……… Dovresti
saperlo anche tu, giusto?
(ふん……それはお前も
よくわかっているだろう？)」
『Che cosa?(なに？)』
男は、ゆっくりとおれに
近づいてくる。
「Non perdona i traditori.
Solo la morte aspetta il
traditore.
(“あの方”は裏切り者を許さない。
待っているのは、死だけだ。)」
そして目線を合わせるように
おれの前にしゃがみ込むと、
嘲るように笑った。
「Esatto, la sorella più
giovane della
famiglia Saito?
(そうだよな？斎藤家、末妹？)」
ﾄﾞｸﾝ…と心臓がはねた。
何 故 そ れ を し っ て い る
『お、前…………まさか………………』
ｻﾞｻﾞｻﾞｻﾞｻﾞｰ……………
その時、いきなり目の間のテレビが
ついて砂嵐が流れた。
「Oops, se fai una voce ...
(おっと、噂をすれば………)」
そう言って男はテレビのダイヤルを
イジり始めた。
何度か砂嵐の画面が大きく揺れた後、
ようやくはっきりと画面が
出てきた。
映し出されたのは、
『ヒッ………！！？』
《???「久しぶりだな、瑠華。」》
忘れもしない、おれがこの世で
一番憎んでいる男の顔だった。
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くーた(プロフ) - めっちゃ好きです！更新楽しみにしています！！！ (2021年8月7日 8時) (
レス) id: 2367739719 (このIDを非表示/違反報告)
しろねこ(プロフ) - めちゃくちゃ好きです....！読ませて頂きました！応援しています！更新無理せず頑張ってください！ (2021年5月26日 20時) (レス) id: a079615375 (このIDを非表示/違反報告)
イドラのドール(プロフ) - えのき。さん» こちらこそありがとうございます…！見てくださるだけですごく嬉しいです……（泣） (2021年5月3日 12時) (レス) id: e4b15447af (このIDを非表示/違反報告)
えのき。(プロフ) - 更新ありがとうございます！めっちゃきになる！！！たくとがなんか、、トッティっぽく見えちゃいましたw更新楽しみにしてます！ありがとうございます！ (2021年5月3日 0時) (レス) id: c2f8d50380 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - エンマ大王の娘の少女【妖ウォ＆ドラゴンボール＆ゲゲゲの鬼太郎＆ワンピース】が出来ました。pasuはmana1です。 (2021年3月9日 21時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：イドラのドール | 作成日時：2021年1月19日 9時
