【刀剣乱舞】不要な刀剣、引き取ります【男主】

12 ページ12

小狐丸を連れて居間に戻ると、茶をすすっている歌仙と目が合った。




「歌仙！なんだよ、お前もかくれんぼ参加しろよー」




「断るよ。僕はこうやってお茶をすすってる方がいい」




呆れたように歌仙は言った。



確かに、ことあるごとに雅、雅と言い始める歌仙には不向きかもしれない。




「じゃあさ、見つけたやつはここに連れてくるから歌仙は逃げないように見張ってて」




俺がそう言うと、あからさまに嫌な顔をしていたが、ちゃんと見張っててくれることを俺は知っている。



優しいからね、歌仙は。





「見張ってる……？じゃあ小狐はぬしさまのお傍にはいられないということですか！？」




絶望的な顔をして小狐丸は言った。



横から歌仙が、「当たり前じゃないか」と極めて冷静に言い放つ。




俺は苦笑いをしていた。





「かせーん！加州と大和守見つけたから見張っといてくれ！」




居間には顔を出さず、加州と大和守を放り込んだのは獅子王だった。




歌仙はため息をついた。




「主ぃ！？なんで俺のこと見つけてくれなかったの！？」




俺の姿を見つけるや否やガバッと抱きついてくる加州。




小狐丸は笑顔を貼り付けながら加州を俺からひっぺがえそうとしている。




「ちょっと狐うざい！俺は今主と大切な話をしてるの！」



「うざいのはお前だよブス。主が困ってる」



「主の前でブスはやめてよ！俺はブスじゃないし！」




喧嘩に大和守も加わり、いよいよ面倒くさくなったころ、耐えられないというように歌仙が口を開いた。




「君たちちょっとうるさいね。ほら主も、早く残りの探しにいってやりなよ」




助け舟とばかりに俺は食いつき、そそくさと居間を出た。




心の中で、歌仙にお礼を言った。

13→←11

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す