【刀剣乱舞】不要な刀剣、引き取ります【男主】

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秒単位の沈黙が横切った。




「……いやいや、隠れろよ」




驚きすぎた脳みそを正常に戻し、思わずツッコミを入れてしまった。



「申し訳ございませぬ。ぬしさまがあまりにも可愛いかったのでつい……」



「可愛いって……28の男がそんなこと言われて嬉しいわけないだろ」




大きなため息をついた。



現状は、小狐丸の胸に俺がすっぽり収まっている状態だ。



逃げようと力を入れてみるも、びくともしない。



力を入れながらも、自分にはない胸筋を堪能する俺はおかしいと思う。





「そんな弱々しい力では振り解けませんよ。まぁ離す気もありませんが」




「じゃあ言うなよ。そもそもお前みたいな胸筋野郎に力で勝てるわけないだろ」




「でしょうな。それより、ぬしさまは温かいですね」



「あぁ、ありがとう……それよりもッ」




力では勝てないことは最初から分かっていたので、ここは機転を利かせた。




一瞬でその場にしゃがみ込み、小狐丸からの圧迫から逃れた。



そして素早い動きで小狐丸と向き合う形になり、そのまま相手の肩に手を置く。




「小狐丸みーつけた」




小狐丸は、少しだけ驚いた様子を見せたが、悔しがることはなかった。




それどころか笑顔で俺にこう言った。





「小狐丸みーつけたってもう一度言ってくれませぬか」

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