70話 ページ27
景吾はそのままニヤつかせた顔を私の耳元に近ずける。
首に少々当たってしまう景吾の髪がくすぐったくてたまらない。
跡「なあ、A、酔ってる時に俺が何したか覚えてるか？」
そんな甘い声を耳元で囁かれ、喋る時に出てくる息がまた更に私の背中をゾクゾクさせてしまう。
すると急に耳にフニっとした違和感。
貴「イャｯ…」
自分でも驚く程に今まで出したことの無い甘い声が部屋に響き渡る。
そんな違和感が走ったと思えば今度は微かに痛みが走る。
ようやくわかった。私は今、景吾に耳を甘噛みされているのだと。
跡「教えてやるよ、俺が何をしたか」
また私の耳元で呟いたかと思えば景吾の顔は気づけば耳元から目の前にあり、
景吾の手はちゃっかり私の頭を押さえている。
貴「い、いい、教えてくれなくていい、から離して景吾。」
私はわかっているのだ。一体、この次に何をされるかなんて。
跡「ああ？…そんなの、無理に決まってんだろ」
そう言えば景吾はまた不敵に怪しく微笑む。
それと同時にだんだんと近づいてくる景吾の顔。
不覚にも景吾相手に胸をドキドキさせてしまう
もうダメだと思い目をギュッと目を瞑る。
…数秒しても何も怒ることなく静まった空気。
代わりに私の首に謎の重さ。
何事だと瞑っていた目をそっと開いてみれば、
景吾の顔は私の顔から少し離れた所に微笑んである。
そしてさっきから違和感のある首元に視線を移せば何かキラッと光るもの。
貴「な、何これ」
跡「お前、自分の誕生日くらい覚えとけよな。プレゼントに決まってんだろ」
少し呆れ気味ではあるが微笑み答えている。そんな景吾の口から出てきた誕生日という単語。
そう言えば確か今日は14日だったはず。
今は夜、いや、深夜と言うべきか、酔ってて時間が少し過ぎたとなれば、今日はもう15日。
8月15日といえば私の7歳誕生日だ。
貴「え、じゃあこれ、誕生日プレゼント…？
これって、もしかして宝石なんじゃ」
首にかけられた小さく正方形に整えられた淡く透き通った黄緑色の宝石をそっと手に取り見る
この宝石、本物ならば恐らくペリドット。
私の誕生石だ。
跡「ああ、今までプレゼントなんざ、花束しか送ったことなかったからな。
たまにはこんなプレゼントもいいだろ？」
そんな自信満々な顔にいつもであれば何かしらのツッコミを入れるところであるが、プレゼントというものが嬉しくてそれどころではない。
貴「ありがと、景吾。」
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死蝶 - 面白いです。更新するの待ってます (2019年1月4日 20時) (
レス) id: ed9ba1b826 (このIDを非表示/違反報告)
モモモ(プロフ) - ﾐｽﾞﾐｽﾞさん» いえいえ、最高なんて言葉はもっと面白い作品にしてあげてください!!それでもそんなお言葉を貰えると嬉しいです!!更新頑張ります!! (2018年8月31日 18時) (レス) id: 071ba740a7 (このIDを非表示/違反報告)
モモモ(プロフ) - 白玉団子さん» 長くつまらない物語なのに面白いだなんてありがとうございます!!そういう言葉を貰えるととても元気を貰えます。これからも頑張ります!! (2018年8月31日 18時) (レス) id: 071ba740a7 (このIDを非表示/違反報告)
ﾐｽﾞﾐｽﾞ(プロフ) - はじめまして！幼少期から読ませていただきました！最っ高です！更新頑張ってください！ (2018年8月31日 18時) (レス) id: 64b9618f2c (このIDを非表示/違反報告)
白玉団子 - 幼児編から全部見ました｡面白かったです 更新頑張って下さい (2018年8月30日 16時) (レス) id: 18d2d81483 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：モモモ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/makaronny21/?w=1
作成日時：2018年8月6日 16時
