55話 ページ12
掴まれている腕に視線を移すと景吾はニヤッと笑い、その掴んでいた腕を引っ張り、それと同時に腰も引き寄せられ、今はソファの上の景吾の足部分に乗っかっている状態。
こいつは一体何がしたいんだ。
顔と顔が近すぎるので自然と視線は重なり合う
跡「A、昔より綺麗になったな。」
貴「急になんだよ。」
今、こんな状態の時に言うことかよそれ。
私結構この体制しんどいんだからな。
跡「別に、思ったことを言っただけだ。
…それと、お前、まだ俺にお帰りも何も言ってくれてねぇじゃねぇか。」
は？お帰りって、今言ってほしいわけ？
そんなこと改まって言うことじゃないだろ。
貴「別に言わなくてもいいじゃんか。」
なんか改まっていうのはさ、ちょっと恥ずかしいじゃん？
跡「俺様が帰ってきてやったって言うのに言わないつもりか、アーン？」
お前はどんだけ言ってほしいんだよ!!
跡「ほら、言えよ。」
と、景吾は私の掴んでいた腕を離し、そのはそのまま私の顎を掴む。
いわゆる顎クイってやつっすね。
これまた認めたくないけど景吾の綺麗な容姿とマッチングして全く違和感がない。
貴「わかったよ、言えばいいんでしょ言えば。………お帰り、景吾。」
そう、景吾の目をじっと見つめ少しだけ、ほんの少しだけ微笑んで言う。
フッ、言ってやったぜ、丁寧に目まで合わせて言ってやったんだ。感謝しやがれ。
すると景吾は満足そうな顔をして顎から手を離し、腰に置いていた手をもっと引き寄せ、抱き着いてくる。
そのままシーンとした空気が流れ、沈黙。
そして景吾は抱きついたまま
跡「A、好きだ。」
あら、その言葉、久しぶりに聞いた。
景吾からは前に来た時の別れ際以来か。
貴「あ、うん。知ってる。」
そう言うと景吾は顔を上げ
跡「お前はいつになったら俺を好きになるんだよ。」
貴「さあ、いつだろね。」
と、私は悪戯のように笑う。
すると景吾は少し険しいような顔になるがすぐに元通り。
跡「そういやA、明日何の日かわかってんのか？」
貴「は？明日？」
え、明日ってなんかあったっけ。
と、頭の中をぐるぐると探るも答えが見つからない。
跡「その様子だと覚えてなさそうだな。ま、こっちにとっては好都合だ。楽しみにしとけよ」
わけがわかりません。何を楽しみにするんだよ。…あ、そう言えばそろそろ1時間くらい経ったんじゃない？
恵瑠たち迎えに行かないと。
貴「景吾、もう離してよ。迎えに行かないと」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 117人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
死蝶 - 面白いです。更新するの待ってます (2019年1月4日 20時) (
レス) id: ed9ba1b826 (このIDを非表示/違反報告)
モモモ(プロフ) - ﾐｽﾞﾐｽﾞさん» いえいえ、最高なんて言葉はもっと面白い作品にしてあげてください!!それでもそんなお言葉を貰えると嬉しいです!!更新頑張ります!! (2018年8月31日 18時) (レス) id: 071ba740a7 (このIDを非表示/違反報告)
モモモ(プロフ) - 白玉団子さん» 長くつまらない物語なのに面白いだなんてありがとうございます!!そういう言葉を貰えるととても元気を貰えます。これからも頑張ります!! (2018年8月31日 18時) (レス) id: 071ba740a7 (このIDを非表示/違反報告)
ﾐｽﾞﾐｽﾞ(プロフ) - はじめまして！幼少期から読ませていただきました！最っ高です！更新頑張ってください！ (2018年8月31日 18時) (レス) id: 64b9618f2c (このIDを非表示/違反報告)
白玉団子 - 幼児編から全部見ました｡面白かったです 更新頑張って下さい (2018年8月30日 16時) (レス) id: 18d2d81483 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：モモモ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/makaronny21/?w=1
作成日時：2018年8月6日 16時
