青色の夏空2 (ページ6)

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慧くんの病気のことが病院内の情報に入ってないということは、

現在、入院している人の中の名前に「伊野尾慧」が
いないということ

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俺の中で疑問が浮かぶ

でも、知念先生だって、慧くんだって言ってた

慧くんは小さい時からここにいる

その理由だって
慧くんは俺に一生懸命に話してくれた

「なのに、なので…」

「山田、ごめん俺が余計なこと…」

「ごめん、ひかるくん今は1人にして」

「うん、わかった」

ひかるくんは静かに病室から出ていった

あれからずっと
俺の中には2つのモヤモヤがあった

☆。.:＊・゜

1つ目

慧くんが現在入院している人の中に
データのないこと

2つ目

俺の高校の時、入院していた時の
記憶が何も思い出せないこと

ただ、「山田～！！」

そう呼んで走ってきてくれる慧くんを見ると

そんなモヤモヤが消えていく

慧くんは学舎の日で
何かを作ってきたようで

それを俺にくれた

それは俺と慧くんが外で
遊んだ時の絵だった

ここ数日間のモヤモヤが晴れたようだった

「ありがとう、慧くん

すっごい嬉しい！！」

ﾍﾍﾍｯ

「よかった～！！

山田、最近全然ニコニコしてなかったから！」

「へ？」

「だから、今日もね！

山田のことニコニコさせたくて

学舎の日休んで、一緒に遊びたかったの」

「慧くん…」

俺のモヤモヤが慧くんに伝わってしまっていた

その事が1番悔しかった

ここ数日間、
慧くんにも寂しい思いをさせてしまった

「慧くん…ごめん」

「ううん！！山田はいっつも慧のこと

ニコニコさせてくれたから、

次は慧の番！！」

慧くんは俺の手を引き
屋上へと繋がる階段をのぼっていく