橙色の記憶 (ページ25)

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「よかった…」「でも1人…」
「どこに連れてかれるかもわからねんだぞ」
「もう1人連れてってくれ」「病院まで…」

みんなが喜びや不安を叫ぶ中

微かに

聞こえたんだ

電話相手が最後に言った言葉

『へー、それが大事なものか……

これから始まるゲーム楽しくなりそ～。ﾎﾞｿｯ』

ゲーム、なんだそれ…

『で！！！！！！

誰にするのかな？この場から出られる

” 1人 ” 。

みんなの意見が完全一致した人にしてください
よ～！

私は喧嘩はだーい嫌いですから～｡・:＋°』

電話相手は話をどんどん進めようとしている

でも

あの言葉

『これから始まるゲーム楽しくなりそ～。』

引っかかりすぎる

薮「みんな満場一致だよな？」

『もちろん。』

俺以外のメンバーがどんどん話を進める

待って、

おかしいよ何か……

待ってみんな……

考えろ俺っ！！

「待って！！！！！！」

知念「？？…ゆうてぃ、どうしたの」

俺がこんなに大声出すのは久しぶりの事で

みんな驚いた目で見ている

八乙女「裕翔、もしかして

大ちゃんじゃダメってことじゃ……」

「そんなんじゃないっ！！！！」

八乙女「じゃあ。なに？

早くしないと行けないことくらい裕翔

だってわかるだろ！！！！」

「わかってるよ！俺だって！！！」

『おっとおっと！喧嘩？！！』

茶化す電話相手に余計腹が立つ

「何かおかしいだろ…なんでわかんねーの…ﾎﾞｿｯ」

ここから大ちゃんを出さないと

大ちゃんが危ない状況だってわかってる

でも

『楽しくなりそ～。』

1人で出したところで大ちゃんが危険な目に会うかもしれないから……

「俺も……俺も、大ちゃんと外に出してほしい」

そう言った

大ちゃんと外に出たところで一緒に危険な目に会うかもしれない、だけど

あの言葉聞いといてこうせずにはいられなかった

『ほーー、なるほどね……

やっぱり中島くんは鋭いねぇ～笑笑』

髙木「はっ？！裕翔今のどういうことだよ

俺らだって、外に出てんだよ！！

でも今は大ちゃんが1番だって

みんな我慢してんだよ！！

なのに、「外に出してほしい」って」

「傷つくのは俺だけでいんだよ！！！！

髙木くんも、他のメンバーにだって

誰にも傷ついてほしくないんだよ！！！」

胸ぐら掴んで必死にそう訴えた