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胸を2箇所突き刺された軍人は鈍い音を立てて壁へ衝突する。
宮舘はそのまま紐を抜き取ると、同じ色をした血液が胸からドプリと溢れた。続いて目黒が駆け出し、急いで投げたナイフを回収した後死体にできた影に咄嗟に身を溶かす。

音を聞き付けたのか、廊下を駆けるブーツの音が増えていく。目黒が影の中から視認した人数は5人。

「クソ、やられてるじゃねえか!」
「誰だよ地下までは行ってないって報告した奴。」
「頭悪いんだろ、俺達下っ端だし。」
「言ってる場合か、早く...っが!?」

最後の一人が階段を降りきった途端...そいつの影へ移動した目黒が姿を現した。
跳躍した彼はその勢いのまま1番近い軍人の脳天へナイフを投げる。短い叫び声を出してそのまま後ろへ倒れていく敵に気付き他の目線が目黒に向かった瞬間、扉を蹴破って宮舘が飛び出した。

宮舘の指先から作り出された無数の血液が、軍人達を巻き込みながら固定される。ギチギチと縛るそれはどれだけ身動きしてもビクともしなかった。

宮舘は直近にいた軍人の顔の血紐をゆっくりと解き、問いかけた。

「ファンタジスタはどこにいる?」
「はーっ、はあ、クソが、知るわけねえだろ!?」
「拐った目的は?どういう基準で?」
「だから何も知らねえってば!!」

息を整えながら声を荒らげる軍人に眉をしかめる。そういえばさっき、彼等は自身のことを下っ端だと言った。箝口令が敷かれているか本当に知らないのかわからないが、これ以上の問答は無駄な時間だと判断した宮舘が再び血紐に力を入れたところで...軍人の向こうにいる目黒が少し冷や汗を流しているのが見えた。

「また聞こえる...階段降りる音......
ちょっと、多すぎない?」
「え?」


振り向いた瞬間、10人ほどの軍人が地下へなだれ込んだ。

後方には多数の敵、前方には5人分の縛人形達。余計に戦うフィールドを狭くしてしまった事実に珍しく舌を打った宮舘は急いで血紐を切り離した。
宮舘の「躁血」は本来近接を得意とした能力ではない。広範囲で一度に敵を片付けるものであるため、狭い廊下では無造作に放つ訳にもいかない糸が指先が心許なく揺れた。一方目黒は奇襲に長けた能力であるが、これだけ密集した場所では奇襲などかけられない。慣れない長期の接近戦に四苦八苦しながら確実に命を奪う。同時に5人ほど相手する2人の顔に焦りが生じる。

忘れていたあの男の、よく通る声が響き渡った。

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もえなっとう(プロフ) - 藤菜さん» こんばんは!いえいえ全然大丈夫ですよ!?いつもありがとうございます! (2021年1月28日 20時) (レス) id: 9d4a7bc2ed (このIDを非表示/違反報告)
藤菜(プロフ) - こんばんは!余計な事を言ってしまってすみませんでした!続きを楽しみに待ってます! (2021年1月28日 19時) (レス) id: f78a68b7f1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もえなっとう | 作成日時:2021年1月28日 18時

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