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京本は階段の目の前で慎太郎を下ろし、自分の足でバタバタ下る。B2から攻めていき敵を上へ追い込むことで、他のメンバーに対処してもらおうという作戦だった。
先程の廊下に対して幅の狭い階段を降りていく。急げ急げと必死に足を動かしているせいで、目の前で立ち止まった慎太郎に気付けなかった。
「っぶ!!」
思い切り背中に衝突した京本が鼻を赤くしながら「何!?」と声を上げる。黙ったままの慎太郎はそっと前を指さす。
...京本は、いつの間にか辺り一体の空気が冷えていることに気付いた。
無機質な豆電球に照らされて、地面や壁を覆った氷がキラキラと光る。その美しさにほうっと吐いた息は白くなってやがて消えた。凍らされて固まる軍人が見えなくなるほどに、奇妙な美しさだったのだ。
ずっと先にある曲がり角まで続く氷は、まるで誰かが通ったかのような道が真ん中にすっぱりとできていた。
「寒...何?これ...。」
「わかんない...。誘拐された人の仕業?」
高地と同じ環境にあったファンタジスタの誰かが逃げたのか?しかし放送で流れた人物のうち1人は「忘却病」だと言っていた。とても氷が操れるような能力ではないと考えるが...。
何が起きていたのか聞きたいところだが、凍らされた軍人は顔を真っ青にして既に息をしていない。これだけの人数を一気に氷へと還し、尚且つ自分が進める幅の道を保ったまま移動した人物がいるのだ。
「慎太郎、手慣れた人だよ。」
廃都の住人は2つのパターンに分かれる。
1つは自分から能力や奇病を駆使することを嫌がる人間。理由は様々だが、普通の人間として生きたかったがために生まれ持った能力を使いたくない人間が多数である。
もう1つは、レジスタンスのような存在の人間だ。
解放を求め武器を持ち東奔西走駆け回る人間がいる。そういった人間はファンタジスタであることを誇りに思い能力を駆使し続ける。
これだけ手慣れた使い方をする人間は、きっと....。
悶々と考えながら道に沿って進んでいると、ふと壁に赤い線が張られていることに気がついた。
氷を突き破って壁から天井まで繋がる線。まじまじ見ると、それは紐のような太さをしていてなぜか赤くてらてらと光っていた。
「うえぇ、なにこれ...。」
舌を出しながらも京本がそっと触れてみると...紐は、さらっと粒になって消えた。驚いて顔を見合わせると、慎太郎は口を開いた。
「俺らの他に、侵入したグループがいるのか...?」
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もえなっとう(プロフ) - 藤菜さん» こんばんは!いえいえ全然大丈夫ですよ!?いつもありがとうございます! (2021年1月28日 20時) (
レス) id: 9d4a7bc2ed (このIDを非表示/違反報告)
藤菜(プロフ) - こんばんは！余計な事を言ってしまってすみませんでした！続きを楽しみに待ってます！ (2021年1月28日 19時) (レス) id: f78a68b7f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もえなっとう | 作成日時：2021年1月28日 18時
