1.◆Who ページ37
礼拝堂の天板の扉をそのまま潜って脱げたのは京本と慎太郎だった。咄嗟の行動で挟み撃ちに合う可能性も考えられたが、サイレンが響いたすぐ後だったため人通りはまだなかった。
地上より広がった廊下へ降りて、着地の衝撃で少しふらついた京本を慎太郎は支えながら電子機器の物陰へ身を隠す。
「大我どうする!?」
「どうするったって...今は無闇に行動とれないよ!」
ここへ続く天板扉が軍人の共通認識ならば、この場所が見つかるのも時間の問題だ。だからといって軍人が増えてきた中走り回るわけにもいかず頭を抱える。
しかし、悩んでいる暇は無いのだ。そうこうしているうちに高地が捕まってしまうかもしれない。早く保護しなければならないという感情と、これからどう行動していけばいいかわからない感情が二人の間でせめぎあう。
...先に痺れを切らしたのは、慎太郎だった。
「もう考えたってわかんねえよな、俺らバカだし。」
知らないうちに"俺ら"に含まれた京本は少し眉を寄せる。
「まだ体力ある?」
「羽もあるし全然平気。慎太郎よりかは動けないけどね。」
京本は折り畳んだ羽をふさふさと小さく動かしながら確認し、慎太郎へ微笑んだ。
「まあそれは想定内でしょ。俺なら疲れた大我背負って走れるし、逆に俺が疲れたら大我に飛んでもらうから!」
「努力はするよ...多分。」
「多分かい!!」
わはは!と場に似合わない笑い声を上げて、にやりと笑った。
だんだん足音が増えていく。高地を探す軍人同士の怒号が飛び交い乱暴な扉の開閉も聞こえだした。あっという間に治安の悪くなった施設内にそっと隠れていた慎太郎が...
ついに、公へ飛び出した。
「ッ侵入者ー...」
「悪いね!!」
インカムを作動させた1番前の男の頭を蹴り飛ばす。衝撃で壁へめり込んだ彼の腰から拳銃をひったくり、その後ろで待機していた軍人の塊へ向けて発砲した。天井、床、壁が蜂の巣のように穴だらけになり、慎太郎の目の前はいつの間にか10人ほどの死体の山が積み重なることとなった。
「先方やられたぞ!!」
「何奴だ!?誰か上へ報告を...」
「今してる!いいから攻撃を...ギャア!!」
完全に混乱した軍人達の合間を縫って、刺す、斬る、撃つ、殴る。転がった死体に片足を乗っけ、高々と叫んだ。
「これはこれは申し訳ねぇ、俺らみたいな野良犬は奇襲しか知らないもんでね!!
礼儀が欲しけりゃ天都に篭ってなってんだ!」
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もえなっとう(プロフ) - 藤菜さん» こんばんは!いえいえ全然大丈夫ですよ!?いつもありがとうございます! (2021年1月28日 20時) (
レス) id: 9d4a7bc2ed (このIDを非表示/違反報告)
藤菜(プロフ) - こんばんは！余計な事を言ってしまってすみませんでした！続きを楽しみに待ってます！ (2021年1月28日 19時) (レス) id: f78a68b7f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もえなっとう | 作成日時：2021年1月28日 18時
